山本佳奈の健康ナビ

新型コロナ 私が驚いたワクチン接種を「受けない」理由

山本佳奈・ナビタスクリニック内科医、医学博士
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 健康や医療について、気になること、知りたいことは尽きません。内科医の山本佳奈さんは、日々の診察で多くの患者の悩みや迷いに寄り添っています。「新型コロナウイルスに感染したら?」「頭痛が治らないのはなぜ?」「健診で引っかかった」「自分の月経が気になる」。日ごろ、聞きたくても聞きにくい健康、医療のテーマやニュースのポイントへ読者の皆さんを案内します。連載第1回は、新型コロナのワクチン接種を「受けない」人たちの理由に迫ります。

3回目接種で後れをとる日本

 新型コロナウイルスワクチンの4回目の接種について議論が始まっています。「まだ3回目も接種できていないのに、4回目の接種の話が出てきてびっくりしました」。つい先日、かかりつけの患者さんから言われました。そう感じている方も多いのではないでしょうか。

 新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)を収束させるには、ワクチン接種による集団免疫(人口の一定割合以上の人が免疫を持つと、感染症が流行しにくくなる状態のこと)を獲得することが不可欠です。デルタ株や最近流行しているオミクロン株のいずれについても、感染率や入院率、重症化率、死亡率が低下するなど、ワクチンの有効性を明らかにする報告が多く出されています。

 ただし、時間が経過するとワクチンの予防効果は低下してしまいます。そこで、多くの国で3回目の追加接種が進められています。主要7カ国(G7)の国々では、昨年9月ごろから追加接種が始まりました。オミクロン株の感染の急拡大とともに急ピッチで追加接種が進められ、先月22日時点の3回目の追加接種の接種率は、イタリア63.9%、ドイツ57.8%、イギリス56.7%、フランス53.6%と高い水準です。

 一方、日本で3回目の追加接種が始まったのは、G7の中で最も遅い12月末ごろでした。同じ先月22日時点の追加接種率は30.2%でした。アメリカの接種率(29.2%)を上回り、G7最下位からは脱出しましたが、まだ後れをとっています。

ワクチン忌避には三つの要因がある

 しかし、さまざまな対策を講じても、ワクチン接種の障害は残ります。…

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山本佳奈

ナビタスクリニック内科医、医学博士

やまもと・かな 1989年生まれ。滋賀県出身。医師・医学博士。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒、2022年東京大学大学院医学系研究科(内科学専攻)卒。南相馬市立総合病院(福島県)での勤務を経て、現在、ナビタスクリニック(立川)内科医、よしのぶクリニック(鹿児島)非常勤医師、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員を務める。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)がある。