実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

新型コロナ 苦しい生活や医療費倹約も重症化につながる

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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東京で桜の満開宣言が出された中、上野公園で花見を楽しむ人たち。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、同公園では宴席禁止や一方通行などの対応が取られている=東京都台東区で2022年3月27日午後4時13分、前田梨里子撮影
東京で桜の満開宣言が出された中、上野公園で花見を楽しむ人たち。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、同公園では宴席禁止や一方通行などの対応が取られている=東京都台東区で2022年3月27日午後4時13分、前田梨里子撮影

 この連載で私が何度も繰り返しているように、新型コロナウイルス感染症は、ほとんどの若者にとっては「ただの風邪」、高齢者にとっては「死に至る病」です。年齢は「最も重要な重症化リスク」と言えるわけです。年齢以外には、肥満、喫煙、生活習慣病などの有無で、その人が重症化するリスクが決まってきます。保健所は、そういったさまざまなリスクを考慮して、どの新型コロナ患者を優先的に入院させるかを決めています。患者が「苦しい。熱とせきがあるので入院させてください」とお願いしても、客観的に重症化リスクが高くなければ優先度は低くなります。

 では、重症化リスクの決め方は絶対に正しいのかと問われれば、そういうわけではなく、今あげたもののほかにも、重症化しやすい要因はあるのではないか、と私は考えています。今回は(私見ですが)新型コロナの新たな重症化因子を三つ紹介したいと思います。その話に入る前に、現在確定されている重症化因子を、もう一度確認しておきましょう。

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト 無料メルマガ<谷口恭の「その質問にホンネで答えます」>を配信中。