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コロナ下だからこそ知ってほしい 森林浴の期待できる効果とは

竹内真里・フランス在住ライター
現職のマクロン大統領とルペン氏の決選投票は4月24日に行われる=筆者撮影
現職のマクロン大統領とルペン氏の決選投票は4月24日に行われる=筆者撮影

 フランスは4月に入り、大統領選の話題が熱い。18歳以上の有権者が国のトップを選ぶことができる直接選挙で、10日の第1回投票の結果、2017年と同じく現職のマクロン大統領とマリーヌ・ルペン氏の2人が、24日の決選投票に臨むこととなった。どちらに投票するか、考えあぐねている人もいる。この日はちょうど2週間の学校休暇中とあって、多くのフランス人らが春を満喫しに森に出かけたりする。今回は、日本で森林浴を体験したフランス人女性の話を紹介し、その効果について考えたい。

森林浴をするために日本へ

 先日、某医療機関に行った時のこと。受付の女性が「あなたは日本人ですか?」と話しかけてきた。5年前に日本を訪れ、関西を中心に旅行したという。「広島や宮島はすばらしかった。人々が親切で感動しました。地図を広げていると、必ず誰かが寄ってきて助けてくれました。お互い話している言葉がわからないけれど、なんとか通じるものですね。京都と奈良ではリュックを背負って、『shinrin yoku』(森林浴)をしました」

 「森林浴」と彼女は確かに日本語で言ったので、思わず聞き返してしまった。「森林浴って言いましたよね。今の時代、フランス語になっているのですか?」

 普段のフランス語の中で使われている日本語はいくつもある。例えばtsunami(津波)、kamikaze(神風)、zen(禅)などは、ニュースや誰かとの日常会話でもしばしば耳にする。

 「フランス語ではbain de forêtやsylvothérapieという言い方があります。shinrin yokuでも知っている人には通じます。私は、日本の森林浴に関しての本を読み、日本に本場の森林浴を体験しに行こうと思ったのです。日本では森林浴がセラピーとして取り入れられており、日本人の健康、長生きの秘訣(ひけつ)はそこにあると解釈する人もいます」

 うーんそうかな、と考えてしまった。フランスは自然豊かな国だ。大都市を離れればのどかな田園地帯が広がる。気軽にウオーキングできる森もあり、本格的なハイキングができる山々もある。一般的に、日本と比較すると、仕事も「適当」で、時間に余裕があり、緑に親しむ環境はフランスの方がより身近なんじゃないか。天気が良い日は、フランス人はよく歩いているし、しょっちゅう森でピクニックやハイキングを楽しんでいる。すでに彼らの生活の中に自然に取り入れられているのではないかと思ったが、次の質問をしてみた。

日本の森は「守られている空…

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フランス在住ライター

1978年千葉県生まれ。2000年から2002年までフランス南部マルセイユに滞在。その後、東京や香港でライターとして取材・執筆に従事。2015年に再びフランスへ。現在はリヨン市内でフランス人の夫、娘と暮らしながら現地情報を発信している。