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「16時間ダイエット」で起こりがちな“朝食抜き”がもたらすリスク

成田崇信・管理栄養士
 
 

 新しい減量法として「16時間断食」という方法が注目されているようです。「プチ断食」「16時間ダイエット」とも呼ばれています。ルールは簡単で、1日24時間のうち食事ができる時間を8時間に設定し、残りの16時間は何も食べないようにします。これにより、効果的な減量が期待できるとされています。

 昔から数々のダイエット法が提唱されてきましたが、定着したといえるものはごくわずかです。「16時間断食」はおすすめできる減量法なのでしょうか。減量効果や予想される健康への影響などについて解説します。

各自の生活時間に合わせて8時間を設定できる

 16時間断食ダイエットとは、断続的断食という減量法の一つです。1週間のうち数日、エネルギー源になる食事を断つ方法と、1日のうち食事をしない時間を設ける方法(時間制限断食)があり、「16時間断食」は後者に分類されます。

 16時間断食の方法を紹介した本やインターネットの記事を見ると、食事をしてもよい8時間の設定は特に推奨がなく、各自の生活時間に合わせて好きな時間に決められるうえ、食事の内容や量にも制限がないため、実践しやすいとされています。また、便通改善や美肌、デトックス効果のほか、断食中にケトン体が増えて代謝が上がり、脂肪燃焼効果なども期待できるとうたわれているものが多くありました。これらの16時間断食の効果は、本当に期待できるものなのでしょうか。

確認された減量効果とは

 食事法の効果を見る場合には、対象者の人数や属性、食事の順守率などの条件をクリアした質の高い報告を調べる必要があります。体験談や数人の報告などは単なるうわさ話の類いであり、効果の指標にはなりません。

 数あるダイエ…

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管理栄養士

なりた・たかのぶ 1975年東京生まれ。社会福祉法人で管理栄養士の仕事をするかたわら、主にブログ「とらねこ日誌」やSNSなどインターネット上で食と健康関連の情報を発信している。栄養学の妥当な知識に基づく食育書「新装版管理栄養士パパの親子の食育BOOK」(内外出版社)を執筆。共著に「各分野の専門家が伝える子どもを守るために知っておきたいこと」(メタモル出版)、監修として「子どもと野菜をなかよしにする図鑑 すごいぞ! やさいーズ」(オレンジページ)などに携わっている。