いきいき女性の健康ノート

コロナ後遺症の「慢性疲労症候群」 増加懸念も治療法は研究途上

福島安紀・医療ライター
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慢性疲労症候群と診断された北九州市の女性。1日のほとんどを寝たきりで過ごしている=北九州市内で2018年5月、宮城裕也撮影
慢性疲労症候群と診断された北九州市の女性。1日のほとんどを寝たきりで過ごしている=北九州市内で2018年5月、宮城裕也撮影

 新型コロナウイルス感染症の後遺症とみられる「慢性疲労症候群」で苦しむ人が出ている。慢性疲労症候群は、かつて海外で流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)の後遺症としても報告され、世界的にもなぜか女性に多い。日本では1999年と2012年に厚生労働省の研究班が実施した調査から、全人口の約0.2~0.3%に当たる24万~36万人がこの病気と推計されている。慢性疲労症候群とはどんな病気で、どのような治療法があるのか。慢性疲労症候群治療ガイドライン作成委員で、名古屋大学医学部付属病院総合診療科講師の佐藤元紀さんに聞いた。

日常生活に支障をきたす疲労感が半年以上継続

 高校2年生の女性Aさんは、ダンス部に所属し、学校生活を楽しんでいた。ところが、冬に風邪で寝込んだ後、登校を再開しようと思った日の朝、だるくて起き上がれなくなり、学校へ行けなくなった。病院を転々としてさまざまな検査を受けたが、身体的な異常は見つからず、心療内科では精神疾患でもないと言われた。半年たっても回復せず倦怠(けんたい)感は強まるばかりで、本人は学校へ行きたいのに起き上がろうとするとふらふらして歩けず、「慢性疲労症候群」と診断された…

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福島安紀

医療ライター

ふくしま・あき 1967年生まれ。90年立教大学法学部卒。医療系出版社、サンデー毎日専属記者を経てフリーランスに。医療・介護問題を中心に取材・執筆活動を行う。社会福祉士。著書に「がん、脳卒中、心臓病 三大病死亡 衝撃の地域格差」(中央公論新社、共著)、「病院がまるごとやさしくわかる本」(秀和システム)など。興味のあるテーマは、がん医療、当事者活動、医療費、認知症、心臓病、脳疾患。