ER Dr.の救急よもやま話

3大栄養素 どう食べるのがからだによいか

志賀隆・国際医療福祉大医学部救急医学主任教授(同大成田病院救急科部長)
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食事を楽しむお年寄りたち=島根県出雲市の大社健康福祉センターで2015年1月29日午後0時33分、金志尚撮影
食事を楽しむお年寄りたち=島根県出雲市の大社健康福祉センターで2015年1月29日午後0時33分、金志尚撮影

 新型コロナウイルス感染症が、少しずつ落ち着いてきました。暑くなる前の今ごろは、屋外での運動に適した季節です。そして運動するとおなかがすく人が多いでしょう。そこで気持ちのよいこの季節に、どんな食事をしたら健康によいのかを考えてみたいと思います。ただし食事について詳しく書きだしたら、本を1冊書いても足りるかどうかです。だから今回は「3大栄養素」と呼ばれる「炭水化物」「たんぱく質」「脂質」に話題を絞って、これらの栄養素が必要な理由や、どれだけの量を食べるのがよいかなどを紹介します。

炭水化物

 3大栄養素は、人間のエネルギー源になる栄養素で「エネルギー産生栄養素」とも言います。このうち「炭水化物」は、ご飯やパン、めん類などが含む栄養素です。細かくいえば炭水化物の中には、消化されてエネルギー源になる「糖質」と、消化されにくい「食物繊維」があります。ご飯やパンの炭水化物は主に糖質で、一部が食物繊維です。

 炭水化物は脳への栄養になります。極端に炭水化物を減らしてしまうと、仕事などに集中することが難しくなります。私たちは炭水化物のほかに肉や魚などいろいろな食品を食べますが、そうした食品全体から1日にとるカロリー総量の45~65%は、炭水化物からとるのが望ましいのです。

 ただ、炭水化物の中でも「GI」(食後の血糖値の上昇速度を示す指標)という数値が低いものが望ましいです。GIが高い食事は、2型糖…

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志賀隆

国際医療福祉大医学部救急医学主任教授(同大成田病院救急科部長)

しが・たかし 1975年、埼玉県生まれ。2001年、千葉大学医学部卒業。学生時代より総合診療・救急を志し、米国メイヨー・クリニックでの救急研修を経てハーバード大学マサチューセッツ総合病院で指導医を務めた救急医療のスペシャリスト。東京ベイ・浦安市川医療センター救急科部長などを経て20年6月から国際医療福祉大学医学部救急医学教授、21年4月から主任教授(同大成田病院救急科部長)。安全な救急医療体制の構築、国際競争力を産み出す人材育成、ヘルスリテラシーの向上を重視し、日々活動している。「考えるER」(シービーアール、共著)、「実践 シミュレーション教育」(メディカルサイエンスインターナショナル、監修・共著)、「医師人生は初期研修で決まる!って知ってた?」(メディカルサイエンス)など、救急や医学教育関連の著書・論文多数。