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フッ素入り歯磨き剤の「むし歯予防効果」無駄にしないブラッシング術

 
 

 全ての国民に毎年の歯科健診を義務付ける「国民皆歯科健診」の導入に向け、政府は検討を始める方針です。定期的に歯の状態をチェックしてもらうことと同時に重要なのが、日々の歯磨きです。むし歯予防のため、毎日欠かさず歯磨きをしている人は多いと思いますが、歯磨きをしただけでは完全にむし歯を防ぐことは難しく、フッ素入り歯磨き剤の使い方が鍵となります。フッ素によるむし歯予防効果を発揮させるために、歯磨き剤を使ってどのように歯磨きするとよいのでしょうか。フッ素入り歯磨き剤の役割と効果的な歯磨きの方法について、高柳歯科医院(埼玉県幸手市)の高柳篤史副院長が解説します。

歯磨きだけでは、むし歯予防は難しい

 「8020運動」というのをご存じの方も多いと思います。80歳まで20本以上の歯を保ち、自分の歯で食べる楽しみを味わい、生涯、充実した食生活を送り続けることを目標にしたもので、日本歯科医師会と厚生労働省が推進している運動です。

 歯を失う大きな要因の一つが、むし歯です。むし歯は、歯に付着した細菌が作り出した酸によって歯が溶かされる病気です。私たちは、歯を健康に保つために、毎日、歯磨きをしています。厚労省の「歯科疾患実態調査」(2016年)によると、国民のほとんどが毎日歯磨きをしており、約50%が1日2回、30%弱が3回以上歯磨きをしています。しかしながら、25歳以上85歳未満で80%以上、特に35歳以上55歳未満ではほぼ100%がむし歯を経験しています。毎日歯磨きをしているにもかかわらず、どうしてむし歯になってしまうのでしょうか。

 それは、歯磨きをしても、実際には完全に口の中の細菌を除去することはできず、磨き残した部分からむし歯ができてしまうためなのです。大部分のむし歯は歯の溝の中や歯と歯の間の狭い隙間(すきま)から発生します。一方、一般的な歯ブラシの毛は、それらの狭くむし歯になりやすい部位には、実際には届きません。そのため、毎日丁寧に…

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