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対立するプーチン、ゼレンスキー両大統領 その心理は?

米井嘉一・同志社大学教授
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ウクライナのゼレンスキー大統領(左)と、ロシアのプーチン大統領=2019年、いずれも代表撮影
ウクライナのゼレンスキー大統領(左)と、ロシアのプーチン大統領=2019年、いずれも代表撮影

 前回の「陰陽五行学説」に続き、いま世の中の関心の的になっているロシアのウクライナ侵攻にからめ、対立を深めるロシアのプーチン、ウクライナのゼレンスキー両大統領について、この説に照らすとどうなるのか、考えてみました。泥沼化した争いを解決へと導く鍵となるのは何でしょうか?

突然のがん宣告で頭が真っ白に

 「陰陽五行による心理療法は存在する」。私の師匠はこう言っていました。

 私はこれまで、遼寧中医薬大学付属日本中医薬学院の韓晶岩学院長より指導を受けました。陰陽五行学説によれば、「怒」「喜(笑)」「憂(思)」「悲」「恐」という五つの人の感情(五情)の調和を図れば健全な状態でいられるといいます。

 師匠の教えに従って、以前、単行本「陰陽五行による心の癒しの音楽」を執筆しました。まず、はじめに実際の症例を紹介します。

 ・がんと宣告された演奏家(男性・35歳)

 ある日、彼は医師から検査結果について説明を受けました。腎臓がんの宣告を受けたのです。医師の「手術をすれば、何とか乗り切れるだろう」という言葉も、彼にははっきりとは聞こえなかったといいます。頭が真っ白になり、何もわからない状態がしばらく続いたそうです。病名が頭から離れなくなり、仕事も手につかない状態に陥ってしまいました。夜もまったく眠れず、気持ちを落ちつかせようと思えば思うほど、逆に気があせるばかりでした。

 陰陽五行学説に基づき、五情のバランスを分析してみると、「悲しみ」と極度の「恐れ」を抱いていました。自分が何を恐れていたのか、その時点では漠然としていてよくわからなかったそうです。また、恐ろしい現実から逃れようとする気持ちばかりが強くて、それに立ち向かってみようとか、じっくり考えてみようなどとはとても考えられなかったといいます。

思考で恐れを鎮める

 原因は、恐ろしい「がん」が自分の体の中にあり、得体の知れない「手術」を受けなくてはならないという不安でした。担当医がいくら説明したところで、何の気休めにもなりませんでした。

 「水行」の情志(感情としての反応)でいう「恐れ」の勢いが強い状態でした。陰陽五行学説によれば、「水行」の勢いを抑える「相剋(そうこく)関係」にあるのは「土行」であり、情志でいうと「思」となります。

 勇気をもって、がんとは何か、手術とは何かを思い、考えることで、この状態を緩和することができます。…

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米井嘉一

同志社大学教授

よねい・よしかず 1958年東京生まれ。慶応義塾大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科内科学専攻博士課程修了後、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校留学。89年に帰国し、日本鋼管病院(川崎市)内科、人間ドック脳ドック室部長などを歴任。2005年、日本初の抗加齢医学の研究講座、同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授に就任。08年から同大学大学院生命医科学研究科教授を兼任。日本抗加齢医学会理事、日本人間ドック学会評議員。医師として患者さんに「歳ですから仕方がないですね」という言葉を口にしたくない、という思いから、老化のメカニズムとその診断・治療法の研究を始める。現在は抗加齢医学研究の第一人者として、研究活動に従事しながら、研究成果を世界に発信している。最近の研究テーマは老化の危険因子と糖化ストレス。