Dr.中川のがんのひみつ

顔が赤くなるのは警告サイン お酒とがんの危ない関係

中川 恵一・東大大学院医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授
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成人式でアルコール体質を判定するパッチテストを受ける新成人たち=愛知県清須市で2020年1月11日、河部修志撮影
成人式でアルコール体質を判定するパッチテストを受ける新成人たち=愛知県清須市で2020年1月11日、河部修志撮影

 「酒は百薬の長」と言えるのは、せいぜい1合までと言えるでしょう。195の国と地域におけるアルコールの消費量とアルコールに起因する死亡などの関係について分析した最近の研究では、1合以下のわずかなアルコールでも、がんが増えるという結果も出ています。

 要は、「全く飲まないことが健康に最もよい」という結論で、酒飲みの私には耳が痛い話です。

 「百薬の長」という言葉とは裏腹に、酒は食道がん、咽頭(いんとう)がん、肝臓がん、乳がん、大腸がんなど、多くのがんの発症リスクを高めることは間違いありません。

 例えば日本人男性の場合、日本酒を毎日4合飲むと、大腸がんになるリスクは3倍になります。日本酒3合で、がん全体の罹患(りかん)リスクは喫煙と同じ1.6倍になります。飲酒しながら喫煙するのは最悪の自殺行為で、食道がんのリスクは30倍にも上ります。

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中川 恵一

東大大学院医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1985年東京大医学部卒。スイス Paul Sherrer Instituteへ客員研究員として留学後、同大医学部付属病院放射線科助手などを経て、2021年4月から同大大学院医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。同病院放射線治療部門長も兼任している。がん対策推進協議会の委員や、厚生労働省の委託事業「がん対策推進企業アクション」議長、がん教育検討委員会の委員などを務めた。著書に「ドクター中川の〝がんを知る〟」(毎日新聞出版)、「がん専門医が、がんになって分かった大切なこと」(海竜社)、「知っておきたい『がん講座』 リスクを減らす行動学」(日本経済新聞出版社)などがある。