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負担増で「家族で介護」に逆戻り? 24年の介護保険制度改定で強まる懸念

中澤まゆみ・ノンフィクションライター
ケアマネジャー(介護支援専門員)が作成した書類。「介護はケアマネ次第」といわれるほど、ケアマネジャーが担う役割は大きい=大和田香織撮影
ケアマネジャー(介護支援専門員)が作成した書類。「介護はケアマネ次第」といわれるほど、ケアマネジャーが担う役割は大きい=大和田香織撮影

 参議院議員選挙が近づいてきました。選挙後に急ピッチで動きが出てくると思われるのが、2024年の介護保険改定に向けた議論です。今回は2年ごとに改定される「公的医療保険」と、3年ごとに改定される「介護保険制度」のダブル改定とあって、大きな変化が予測されています。

 5月25日に財務省の「財政制度等審議会」(財政審)は、「歴史の転換点における財政運営」という提言をまとめ、政府に提出しました。そこでは、前回お伝えした「要介護1・2の地域支援事業(総合事業)への移行」をはじめ、24年介護保険改定での「財政改革」の具現化を、国と厚生労働省に働きかけています。

 「これらの動きは介護崩壊を加速させる」と現場は危機感を募らせています。「まだ先の話」と思われるかもしれませんが、半年後の12月か年明けには厚労省社会保障審議会介護保険部会で、改定の「方針」が決まってしまいます。前回に引き続き、再び俎上(そじょう)に載ることが懸念されている「利用者負担の見直し(原則2割負担)」と「ケアプランの利用者負担の導入」について、利用者にどんな影響が出てくるのかを考えます。

支…

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ノンフィクションライター

なかざわ・まゆみ 1949年長野県生まれ。雑誌編集者を経てライターに。人物インタビュー、ルポルタージュを書くかたわら、アジア、アフリカ、アメリカに取材。「ユリ―日系二世 NYハーレムに生きる」(文芸春秋)などを出版。その後、自らの介護体験を契機に医療・介護・福祉・高齢者問題にテーマを移す。全国で講演活動を続けるほか、東京都世田谷区でシンポジウムや講座を開催。住民を含めた多職種連携のケアコミュニティ「せたカフェ」主宰。近著に『おひとりさまでも最期まで在宅』『人生100年時代の医療・介護サバイバル』(いずれも築地書館)、共著『認知症に備える』(自由国民社)など。