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老老老・老介護の悲劇

石蔵文信・大阪大学招へい教授
 
 

 超高齢社会を迎え、高齢者が高齢者を介護する「老・老介護」も珍しくはなくなりました。ただ、介護をする側も決して健康ではなく、心身ともに疲弊することにより生まれる悲劇も後を絶ちません。人生100年時代はバラ色なのでしょうか。

深刻なのは健康よりお金

 いつの頃からか長生きすることが素晴らしいというような風潮になってきました。そして現在は人生100年時代ともいわれてきています。多くの高齢者は100歳まで生きなければ損と考えるようになってきているのではないでしょうか?

 確かに寿命は年々長くなっていますが、健康寿命はそれほど延びていません。大体男性で72~73歳、女性で75~76歳までは健康、いわゆる日常生活に制限のない生活ができるようです。しかし逆算すると100歳まで生きた場合、約25年間、不健康な生活が続くということです。

 そして健康よりももっと深刻な問題が老後の資金です。「老後の資金がありません!」という映画でも話題になったように最低2000万円は用意しておく必要があるとされていますが、100歳まで生きるとしたらとても足りないのではないでしょうか?

寿命の計画は立てられない

 一番困るのは自分の寿命がいつまで続くか分からないということです。そのために、資金計画はかなり立てづらいと思います。…

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大阪大学招へい教授

いしくら・ふみのぶ 1955年京都生まれ。三重大学医学部卒業後、国立循環器病センター医師、大阪厚生年金病院内科医長、大阪警察病院循環器科医長、米国メイヨー・クリニック・リサーチフェロー、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻准教授などを経て、2013年4月から17年3月まで大阪樟蔭女子大学教授、17年4月から大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)。夫の言動への不平や不満がストレスとなって妻の体に不調が生じる状態を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。また60歳を過ぎて初めて包丁を持つ男性のための「男のええ加減料理」の提唱、自転車をこいで発電しエネルギー源とする可能性を探る「日本原始力発電所協会」の設立など、ジャンルを超えたユニークな活動で知られる。「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」など著書多数。