無難に生きる方法論

認知症家族の心の叫びとは

石蔵文信・大阪大学招へい教授
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 認知症は治療の決定的な薬がないことや、高齢になるとかなりの確率で発症することから国民的課題になりつつあります。ある意味、少子化問題よりも深刻といえるかもしれません。

 介護を長く経験している人の中には絶対に口には出せない心の叫びがあります。

 私の患者さんの中にも介護で疲れ果てている方がいらっしゃいます。介護は大変つらく、骨の折れる仕事です。医療や介護技術が発展しているために、先も見えませんし、かといってどんどん良くなるわけではありません。むしろ徐々に悪化するのが通常でしょう。

 特に自宅で介護している場合などは、暴力を振るわれたり、徘徊(はいかい)されたりすると、自分の生活のペースが乱れます。思わず心の中で「早く死んでほしい」とつぶやいてしまいますが、…

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石蔵文信

大阪大学招へい教授

いしくら・ふみのぶ 1955年京都生まれ。三重大学医学部卒業後、国立循環器病センター医師、大阪厚生年金病院内科医長、大阪警察病院循環器科医長、米国メイヨー・クリニック・リサーチフェロー、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻准教授などを経て、2013年4月から17年3月まで大阪樟蔭女子大学教授、17年4月から大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)。夫の言動への不平や不満がストレスとなって妻の体に不調が生じる状態を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。また60歳を過ぎて初めて包丁を持つ男性のための「男のええ加減料理」の提唱、自転車をこいで発電しエネルギー源とする可能性を探る「日本原始力発電所協会」の設立など、ジャンルを超えたユニークな活動で知られる。「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」など著書多数。