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乾癬患者が医師に相談しにくいわけとは?

乾癬への理解を願い花を張る道端アンジェリカさん=2018年10月、伊藤一郎撮影
乾癬への理解を願い花を張る道端アンジェリカさん=2018年10月、伊藤一郎撮影

 モデルの道端アンジェリカさんが公表し知られるようになった皮膚病「乾癬(かんせん)」。皮膚が赤くなったり、盛り上がったところに白っぽいかさぶたができたりして、ふけのようにはがれ落ちます。最近の調査(*)で、医師は症状だけでなく、生活上の悩みも相談してほしいと思っているのに、患者はそれがなかなかできていない実態が浮かび上がりました。医師と患者のこうしたコミュニケーションギャップをどうしたら埋められるのでしょうか。乾癬の専門家である小林里実・聖母病院皮膚科部長に聞きました。【有田浩子】

QOL改善こそ治療のゴール

 --製薬会社と患者団体による医師と患者を対象にした今年4月のアンケートで、皮膚や症状、個人的な悩み、生活に関する計24項目の質問のうち、医師は全項目で8割以上が「相談してほしい」と答えたのに対し、患者は「皮膚や症状」に関する質問(10項目)では6割以上が相談する意向を示したのに対し、「周りの視線が気になる」「楽しみにしていることができるか」など「個人的な悩みや生活上の悩み」(14項目)についての相談意向は3割以下にとどまりました。医師から患者に悩みを尋ねた割合は約3割にとどまり、理由として、診察時間が限られている▽プライバシーにかかわる――などが挙がっています。こうした結果をどうみますか。

 ◆患者は、乾癬を発症したことで気分が落ち込み、自ら相談するような精神状態でなかったり、生活上の悩みは医師に相談する内容ではないと思っていたりするようです。一方、医師もQOL改善のための対話による治療が十分浸透しておらず、積極的に介入することへの難しさがあると推察され、プライベートな部分を自分からは聞きにくい、時間的に余裕がないという事情があります。しかし、乾癬の場合、QOLを改善することこそが治療のゴールなので、患者が何に困っているかがわからないとその方にとって適切なゴールが設定できません。

 結婚式でウエディングドレスを着たい、レストランでの勤務を続けられるように頭皮や顔などの皮疹を早急に消したいなど、患者一人ひとりの困りごとは違うので、具体的に医師に伝え、納得を得ながら進めていけ…

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