ボストン発 ウェルエイジング実践術

コーヒーは砂糖入りでも死亡を減らすがコレステロールを少し上げる

大西睦子・内科医
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 コーヒーは世界中の多くの人に愛される飲み物です。その味わいや香りだけでなく、健康への効果も注目されています。最近は、コーヒーを飲む人は死亡するリスクが下がる、つまりは長生きしやすくなる、という調査結果もでてきました。一方で「飲むとコレステロール値が上がる」という気になる結果もあります。今回は、コーヒーについての最新の研究成果を紹介します。

 コーヒーが病気や死亡を減らすという研究結果としては、たとえば、米ハーバード公衆衛生大学院の研究者たちが2015年に発表した論文があります。研究者たちは20万人以上の対象者を30年間追跡調査し、そのデータを分析しました。その結果は「1日に5杯以下のコーヒーを飲む人は死亡のリスクが低く、特に心血管疾患、神経疾患、2型糖尿病、自殺をそれぞれ原因とする死亡のリスクが低い」というものでした。

 ところで、コーヒーには砂糖を入れて飲む、という方は多いでしょう。コーヒーそのものが健康によいとしても、砂糖入りで飲んでもやっぱりよいのでしょうか。従来の研究は、対象者が1日にコーヒーを飲む量は調べていても、砂糖を入れるのかどうかなどは調べていませんでした。

 そこで最近、中国の南方医科大学の研究者たちが、この疑問に答える論文を発表しました。

 彼らは論文の冒頭で、この研究を始めるにあたっての問題意識を次のように説明しています。「健康に関する(とり過ぎはよくないという)警…

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大西睦子

内科医

おおにし・むつこ 内科医師、米国ボストン在住、医学博士。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部付属病院血液・腫瘍内科にて造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。08年4月から13年12月末まで、ハーバード大学で、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度授与。現在、星槎グループ医療・教育未来創生研究所ボストン支部の研究員として、日米共同研究を進めている。著書に、「カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側」(ダイヤモンド社)、「『カロリーゼロ』はかえって太る!」(講談社+α新書)、「健康でいたければ『それ』は食べるな」(朝日新聞出版)。