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「第7波」到来 5~11歳の子どもへのワクチン接種をどう考える?

鈴木敬子・毎日新聞 医療プレミア編集部
 
 

 5~11歳の子どもの新型コロナウイルスワクチン接種について、日本小児科医会は先月、接種を迷っている保護者に対し、接種を呼びかけるメッセージをウェブサイトに掲載した。同会は5~11歳へのワクチンが承認された今年1月、接種に慎重な立場を示していたが、いま積極的に推奨するようになった理由は何か。同会公衆衛生委員会担当理事で、峯小児科(さいたま市岩槻区)の峯真人院長に話を聞いた。

副反応の症状が出る確率は大人より低い

 同会は今年1月に公表した提言で、ワクチンの効果は感染予防より重症化予防のための意味合いが大きく、子どもは重症化することがまれだとして「ワクチン接種の意義は成人・高齢者への接種と同等ではない」との見解を示していた。予防接種法の「努力義務」規定も適用されていない。

 5~11歳へのワクチン接種は、多くの自治体で3月から始まり、6月には厚生労働省の研究班が副反応の頻度に関する調査結果を公表した。2回目の接種後に発熱(37.5度以上)があったのは、20歳以上では38.1%だったのに対し、5~11歳では11.3%、接種部位の痛みは77.4%(20歳以上89.5%)、倦怠(けんたい)感22.6%(同68.8%)――などだった。

 ――ワクチン接種後の副反応に関する調査結果が出てきています。

 ◆現場で多くの5~11歳の子どもたちにワクチンを接種していると、実際に熱を出す子はめったにいません。一方、12歳以上の子たちのワクチンでは、結構な頻度で熱や痛みが出る子がいて、子どもたちや保護者の方から「接種後がつらい」という声が聞かれました。

 しかし、5~11歳は接種するメッセンジャー(m)RNAの量が12歳以上の3分の1ということもあってか、私たちが当初想像していたより、はるかに副反応の発生率が低く、副反応の症状が表れたとしても程度が軽いことが分かってきました。

 ――2回目の接種率は17%程度ですが、この状況をどう見ますか(20日公表時点で17.8%)。

 ◆新型コロナのニュースがこれだけ毎日のように報道されていると、接種を受けさせようと考える保護者の方が増え、40%くらいにはなると想定していました。この接種率では、基礎疾患があり感染した場合に重症化するリスクのある子どもたちや、高齢者と同居している、きょうだいが基礎疾患を持っているなど、家族に重症化リスクのある人がいる子どもたちも接種していない可能性があり、心配しています。

 保護者の方から、自分が接種した時に痛い思いをし、高熱も出たので「本当に子どもたちに受けさせていいのか悩んだ」という声をたくさん聞きましたし、問い合わせもあります。今まさに接種を受けさせるかどうか迷っている保護者の方に新しく分かってきたことを説明し、知っていただきたいと思っています。

感染すると重症化する子も

 ――子どもは感染しても重症化しにくいといわれています。

 ◆子どもたちにとってコロナは軽いといっても、やはり重くなる子はいます。感染の第6波ではオミクロン株の流行によって10歳未満の子どもの感染が急激に増えました。多くは軽症でしたが、感染者の中にはクループ(※)や熱性けいれん、熱せん妄を起こす子が少なくありませんでした。また、少数ですが脳炎・脳症、まれに死亡例も報告されています。

 熱性けいれんも通常のけいれんと異なり、何日も入院が必要なケースがありました。いまオミクロン株の派生型「BA・5」が急速なスピードで増えていますが、…

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毎日新聞 医療プレミア編集部

すずき・けいこ 1984年茨城県生まれ。法政大卒。2007年毎日新聞社入社。岐阜支局、水戸支局、横浜支局などを経て、15年5月から医療プレミア編集部。