山本佳奈の健康ナビ

コロナ下の過剰なスポーツ 医師が警鐘を鳴らす「病気」は?

山本佳奈・ナビタスクリニック内科医、医学博士
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 新型コロナウイルスが感染の「第7波」に突入し、感染者が急増しています。感染力が強いからでしょう、全国の新規感染者は1日当たり20万人を超え、過去最多を記録しました。コロナの感染をこわがり、自宅にこもってばかりいては体によくありませんが、一方で運動をやり過ぎてもいろいろと問題があるようです。クリニックの内科医、山本佳奈さんが、その「理由」をお伝えします。

感染者急増 「運動控え」の声も

 勤務先のクリニックでも、38度を超える発熱患者に新型コロナウイルスの抗原検査をすると、高い確率で「陽性」と判定されています。PCR検査は、結果が出るまでに時間がどうしても必要です。そのため、外来でコロナかどうか10分足らずで判断できる抗原検査はとても便利です。しかし、その検査キットも、急な感染者の増加に伴い在庫がなくなってしまいました。いつ入荷されるかも分からない状態です。

 「コロナが増えてきたので、またジムに行くのを控えるようになりました」。コロナの感染拡大を受け、定期的に受診されている患者さんから聞かれることが増えたのが「運動控え」の声です。昨夏や冬の流行でも、テニスやジム通いなど、やっと再開した運動を中断してしまう方が多かった印象がありますが、今回の感染の急拡大でも運動控えを考えている方がいらっしゃるのではないでしょうか。

身体活動減り体重増加も

 ドイツのAchraf氏らが2020年4月6~11日に、ヨーロッパ、北アフリカ、西アジア、南北アメリカの参加者1047人を対象にオンラインで調査したところ、1週間当たりの身体活動の日数が24%、1日当たりの身体活動の時間が33.5%もそれぞれ減少し、座っている時間が1日当たり5~8時間も増えていたことが分かりました。

 クリニックでも、「在宅勤務になり、身体を動かす機会も減って、結果的に体重が増えた」といった声や、「通勤しなくなった時間に歩くようにしてみたけれど、長続きしなくて運動はしていません」という声が多く聞かれます。

 コロナによる自主隔離中に体重増加をもたらした要因は何だったのでしょ…

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山本佳奈

ナビタスクリニック内科医、医学博士

やまもと・かな 1989年生まれ。滋賀県出身。医師・医学博士。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒、2022年東京大学大学院医学系研究科(内科学専攻)卒。南相馬市立総合病院(福島県)での勤務を経て、現在、ナビタスクリニック(立川)内科医、よしのぶクリニック(鹿児島)非常勤医師、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員を務める。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)がある。