子どもの健康“あるある”相談室

「子どもは2.5cmでも溺れる」夏のレジャー“3大トラブル”への備え

白井沙良子・小児科医/小児科オンライン所属医師
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 夏休みやお盆休みで、レジャーやアウトドアを計画されている方も多いでしょう。お子さんを連れて、普段と違う場所に行ったり、違う活動をしたりする時、どんなことに気をつけたら良いのでしょうか。今回は、レジャーやアウトドアの際に起こりがちな「溺水」「虫刺され」「やけど」の3大トラブルについて解説し、安全・安心なレジャーのために押さえておきたいポイントを紹介します。

一秒も子どもから目を離さないで――溺水について

 海や川でのレジャーやプール遊びでは、毎年必ずといっていいほど、お子さんが溺れて命を失ってしまうニュースを耳にします。水のレジャーを楽しく安全に過ごすために、知っておいてほしいことを三つご紹介します。

(1)2.5cmでも、溺れます

 溺水は、窒息や交通事故と並んで、乳幼児の死亡事故におけるトップです。その一つの理由として「2.5~5cmの場所でも、溺れうる」という現実があります。特に0~1歳のお子さんは、まだ十分に自分の首や筋肉をコントロールすることができません。大人にとっては浅いと感じる場所でも、溺れる危険があることを覚えておきましょう。

(2)静かに、溺れます

 「溺れる」というと、バシャーン!という大きな音とともに、子どもが暴れたり騒いだりして、それによって周りの人がすぐ気づく、というイメージがありますよね。

 しかし実際には、静かに溺れます。溺れた瞬間は何が起きたかわからず混乱し、その間に水をどんどん飲みこんでしまい、ますます溺れていきます。何か危なそうな声が聞こえたら、その時チェックすればいい、というのは危険な考えです。

(3)ほんの数秒で溺れます

 溺水は数秒以内に起こります。これらを踏まえると、溺水を防ぐ最大の対策は「一秒たりとも、大人が目を離さないこと」です。

 米国小児科学会は、特に大人は「スマホを見ていない」「(バーベキューなど)他の活動をしていない」「アルコールを摂取していない」ことが大事だとしています。

 また「ライフガードがいる場所でも、必ず大人の監視役をつけること」「ほかの大人と休憩をとりながら、交代で見守ること」も推奨しています。

 さらに下記のポイントも、ぜひ覚えておきたいですね。

・「遊泳禁止」「立ち入り禁止」の場所には出入りしない

・波が大きい時や、引き潮が強い時の海は避ける。天候を確認する

・ライフジャケットを装着する

・万が一溺れてしまったときのために、心肺蘇生の方法を学んでおく(消防庁のウェブサイトから、蘇生方法の動画を見ることができます)

 なお水遊びやウオータースポーツにおいて、マスクを装着することは、窒息などの危険があるため推奨されていません。

伸びた爪を切ることも大切――虫刺されについて

 レジャーでは蚊に刺される頻度が増えたり、普段は見慣れない虫に刺されたりすることもあります。虫に刺されたときの対処法を三つご紹介します。

(1)よく洗う・よく冷やす

 どんな虫刺されにも共通するケアは、流水でよく洗い、よく冷やすことです。ただし、氷水や保冷剤で冷やすのを嫌がるお子さんも多いと思います。その…

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白井沙良子

小児科医/小児科オンライン所属医師

しらい・さよこ 小児科専門医。「小児科オンライン」所属医師。IPHI妊婦と子どもの睡眠コンサルタント(IPHI=International Parenting & Health Insutitute、育児に関するさまざまな資格を認定する米国の民間機関)。慶応大学医学部卒。東京都内のクリニックで感染症やアレルギーの外来診療をはじめ、乳幼児健診や予防接種を担当。2児の母としての経験を生かし、育児相談にも携わる。***小児科オンラインは、オンラインで小児科医に相談ができる事業です。姉妹サービスの「産婦人科オンライン」とともに、自治体や企業への導入を進めています。イオンの子育てアプリより無料で利用できます。詳細はこちら