現代フランス健康事情

休暇の達人 フランス人はこう楽しむ

竹内真里・フランス在住ライター
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 キャンピングカーや、自転車を数台積んだ車、トランクにぎゅうぎゅうに荷物を積み込んだ車が走っている。ただ今、フランスはバカンスシーズンのまっただ中。フランス人は、休暇については常に先を見越してテキパキと計画を立てる達人だ。「休みがあるから心身リフレッシュしてよく働ける」というが、どうしてフランス人は休暇を心底楽しめるのだろうか?

有給休暇は完全消化

 フランス人が元気で長生きの理由のひとつは、当たり前に長期休暇を取れることかもしれない。世界保健機関(WHO)の2019年の統計では、フランス人の平均寿命は82.48歳(男性79.76歳、女性85.09歳)、日本は84.26歳(男性81.49歳、女性86.94歳)。両国とも80歳を超える長寿国だ。

 「メトロ(地下鉄)、ブロ(仕事)、ドド(寝る)」というフレーズがある。電車に揺られ仕事をして帰って寝るという意味だが、そうした繰り返しの日常を、時々打破する必要があるとフランス人たちは口々に言う。

 そもそもフランスで有給休暇制度が導入されたのはいつからなのか。調べてみると、1936年6月20日、労働者が2週間の有給休暇を取得する権利を得たのが始まりだ。続いて56年に3週間、69年に4週間、82年に5週間と延び、現在に至る。与えられた休暇は当然完全消化する。

 過ごし方は人それぞれだ。別に遠出したくなければ、近場をじっくり訪ねたり、普段やらない自宅の整理整頓や日曜大工に励んだりする人もいる。外国に旅行に行く人もいれば、国内で過ごすのを好む人もいる。

 国内においては、さすが世界一を誇る観光&バカンス大国だけあり、どこを訪れても地方色豊かで観光に力を入れているのがよくわかる。…

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竹内真里

フランス在住ライター

1978年千葉県生まれ。2000年から2002年までフランス南部マルセイユに滞在。その後、東京や香港でライターとして取材・執筆に従事。2015年に再びフランスへ。現在はリヨン市内でフランス人の夫、娘と暮らしながら現地情報を発信している。