百寿者に学ぶ バランス健康術!

免疫力もアップ! 体の機能を高める三つのこと

米井嘉一・同志社大学教授
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 車を安全かつ快適に走らすためには、定期的なチューンアップが必要です。それによって、エンジン音も快調、燃費も良くなり、乗り心地も良くなります。さらに、性能を最大限に引き出すのが、ベストチューンアップです。私たち人間も、ベストチューンアップすることで、体の機能を最高の状態に保ち、この先、数十年もの間、健康な体を保つことができるのです。どのようにすれば、人の体をベストチューンアップできるのでしょうか。最新研究も紹介しながら、その秘訣(ひけつ)を伝授しようと思います。

免疫力もアップ

 ベストチューンアップされた体は、免疫機能、糖代謝・脂質代謝、生殖機能の効率が最も良い状態になります。免疫機能がうまく機能すれば、病原菌やウイルスにも感染しにくくなりますし、たとえかかったとしても重症化することもないでしょう。

 糖代謝・脂質代謝が良好であれば、糖尿病や脂質異常症になりにくくなります。エネルギー代謝が良好になれば、太りにくくなるでしょう。

 生殖機能を良好に保つことは、特に若年者にとって、大変重要です。

 中高年の人にとっても、高齢者にとっても、健康長寿を目指すすべての人たちに知ってもらいたい概念です。

体内時計を地球に合わせる

 最初に目指してほしいことは、体内時計と1日24時間の自転周期を同調させることです。

 体にそなわった体内時計の周期は約25時間なので、地上の1日とはずれが生じます。もしも私たちが洞窟の中で生活したと仮定すると、毎日1時間ずつずれが生じて、12日経過した時には、体内時計と昼夜が完全に逆転してしまいます。これでは体は整備不良の状態になり、胃腸機能、免疫機能、生殖機能、代謝機能が大幅に低下してしまうでしょう。

 これは笑いごとではありません。一日中ゲームにふけっている小中学生や、睡眠のリズムが極度に乱れた高校生や大学生の間で、現実に起こっている現象なのです。胃腸機能が衰えるため、彼らは食欲がわきません。栄養不良で、筋肉も失われ、徐々にやせ細っていきます。飲食するのは、お菓子やジュースばかりなので、血糖値が高かったり、内臓脂肪がたっぷりついていたりします。健康とは、ほど遠い状態です。

 それでは、ベストチューンアップのための三つの方法を紹介…

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米井嘉一

同志社大学教授

よねい・よしかず 1958年東京生まれ。慶応義塾大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科内科学専攻博士課程修了後、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校留学。89年に帰国し、日本鋼管病院(川崎市)内科、人間ドック脳ドック室部長などを歴任。2005年、日本初の抗加齢医学の研究講座、同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授に就任。08年から同大学大学院生命医科学研究科教授を兼任。日本抗加齢医学会理事、日本人間ドック学会評議員。医師として患者さんに「歳ですから仕方がないですね」という言葉を口にしたくない、という思いから、老化のメカニズムとその診断・治療法の研究を始める。現在は抗加齢医学研究の第一人者として、研究活動に従事しながら、研究成果を世界に発信している。最近の研究テーマは老化の危険因子と糖化ストレス。