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水分補給に解熱剤… 医師がコロナに感染し、いかに乗り切ったのか

金子至寿佳・高槻赤十字病院糖尿病・内分泌・代謝内科部長
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 新型コロナウイルスは、感染の「第7波」のまっただ中。感染者数が全国で1日当たり25万人を超えるなど、感染リスクがいつになく高まっています。一方、中国で初めて感染が確認されてから2年半以上が過ぎ、この間、コロナウイルスに関するさまざまな知識が蓄積されてきました。医療が窮迫し、容易に医療機関で受診できなくなっている今、感染したとしても、コロナの知識を最大限生かし、乗り切ることが求められています。地域でコロナのワクチン接種に従事し、多くのコロナ患者の血糖管理に携わってきた高槻赤十字病院の金子至寿佳医師も先月、コロナに感染し、患者の立場を経験したといいます。いかに健康リテラシーを発揮し、コロナを乗り切ったのでしょうか。

引かないのどの痛み

 7月16日の夕方、夕食用にと野菜を買いに歩いて出かけたところ、夜になると左の太ももに筋肉痛を感じました。かかとのあるサンダルで、休みながらとはいえ1時間以上歩いたせいでしょうか。太ももをもむと、しばらくは痛みを忘れることができました。しかし、夜になると日光に当たり過ぎた後のようなけだるい疲れで出て、起き上がれなくなっていました。

 朝になると、のどにヒリヒリした痛みが走りました。乾燥しているとよくみられる現象で、いつものことかと思いました。ただ、しばらくたっても痛みが引かない。体温を測ると37.1度と微熱があり、気になってPCR検査を受けると、翌日、陽性と判定されました。診察時は細心の注意を払っているので、感染は通勤時の満員電車以外考えられませんでした。

 まず、他の人に感染させない対策を講じなければなりません。一番身近な人と言えば家族です。感染が判明したのは、夫が出張から帰ってきた日でした。それから、夫は目が細かく、ウイルスが付着したエアロゾルも通過しにくいN95マスクを着けての生活です。もちろん、私もうつさないよう不織布のマスクを着けました。人にうつすリスクを下げるには、このマスクで十分だからです。

 幸い、発症は休みに入ってからでした。発症から1週間さかのぼっても、感染リスクには十分注意していたため、職場には濃厚接触にあたる人は一人もいませんでした。そして、10日間の自宅療養生活が始まったのです。

発熱や食事が取れず水分喪失

 陽性判定を受けた17日の午後から、熱は39度と急上昇しました。…

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金子至寿佳

高槻赤十字病院糖尿病・内分泌・代謝内科部長

かねこ・しずか 三重県出身。医学博士。糖尿病医療に長く携わる。日本糖尿病学会がまとめた「第4次 対糖尿病5カ年計画」の作成委員も務めた。日本内科学会認定医及び内科専門医・指導医、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医・指導医、日本内分泌学会認定内分泌代謝科専門医・指導医、日本老年病学会認定老年病専門医・指導医。インスリンやインクレチン治療薬研究に関する論文を多数執筆。2010年ごろから、糖尿病診療のかたわら子どもへの健康教育の充実を目指す活動を始め、2015年からは小中学校で出前授業や大人向けの健康講座を展開している。