実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

新型コロナ 軽い症状で未検査 自主隔離はどうするか

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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 2022年8月2日、日本感染症学会、日本救急医学会、日本プライマリ・ケア連合学会、日本臨床救急医学会の4学会が共同で、「新型コロナウイルスにかかったかも?と思った時にどうすればよいのか」と副題をつけた声明を発表しました。このところの感染者急増で、「(自分や家族が)コロナかも?」という問い合わせは、私が院長をつとめる太融寺町谷口医院(以下、谷口医院)にもひっきりなしに入ります。谷口医院は「かかりつけ患者のみに対応する」医療機関(大阪府の分類でBグループ)のため、未受診の人からの問い合わせがあった場合はAグループ(かかりつけ患者以外も対応)の医療機関に相談するように伝えています。「受診できるところがない」という訴えは、20年の春ごろには「重症化しているのにどこも診てくれない……」というケースが多く、こういう場合は谷口医院に来てもらっていたのですが、最近は入院を要するほどの重症例は激減しています。代わりに増えているのが「重症化しているわけではなく入院は希望しないけれど、検査や薬をどうすればいいのか。また隔離をどうすればいいのか分からない」といった相談です。したがって、4学会の共同声明のタイトルを見たときに私は「これは有用だ!」と思い、早速読み込みました。「どのようなときに受診すべきか」については簡潔に説明されていて実用的だと感じたのですが、その一方で「分かりにくい点」もあります。今回はこの声明を読み解きながら、私見も交えて今後の「新型コロナかな、と思った時の自己防衛策」について述べていきたいと思います。

 現在、谷口医院では、かかりつけ患者から「コロナかも?」という相談があったとき、受診そのものや検査は希望しないという場合や、遠方に住んでいて電車に乗らなければ受診できない(なおかつ他院受診を希望しない)場合は、メール相談(無料)、もしくはオンライン診療(こちらは保険診療)のみで済ませています。

 数カ月前までは、患者さんが強く拒否しない限りはできるだけ検査を受けるように説得していたのですが、最近は過去のコラム「新型コロナ 『正直な若者がばかをみる』のを避けるには」などで述べたよ…

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト 無料メルマガ<谷口恭の「その質問にホンネで答えます」>を配信中。