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「耳が遠いのは年のせい」 放置しても大丈夫?

山縣章子
自身の聞こえ方を簡易チェックできる補聴器専門店「補聴器のリケン」グループの体験型施設=東京都目黒区で2022年6月10日、山縣章子撮影
自身の聞こえ方を簡易チェックできる補聴器専門店「補聴器のリケン」グループの体験型施設=東京都目黒区で2022年6月10日、山縣章子撮影

 耳が遠いのは年だから仕方ない? もともと高齢になると人の話を聞き取りにくくなるのに加えて、コロナ禍でのマスク生活の影響で、聞き取りづらいとの訴えが増えているという。近年の研究では、加齢性難聴を放っておくと認知症の発症リスクになると指摘され、「ヒアリングフレイル」との呼び名も登場した。行政や医療界はあきらめて放置しないでと呼び掛けている。【くらし医療部・山縣章子】

 「テレビドラマを見る時、音量を上げないと聞こえにくい」。7月、東京都豊島区で一人暮らしをする女性(82)は、同区が運営する東池袋フレイル対策センターを訪れ、耳の健康チェックを受けた。

 タブレット型端末のアプリを使い、スピーカーからひらがなが1文字ずつ流れると、女性は紙に書いていった。センターは20問中、正答率が6割未満の人には耳鼻咽喉(いんこう)科の受診を勧めている。女性は「し」を「ち」と聞き間違えるなどしたが、正答率は7割だった。「元気に過ごしたいので、耳にも気を配りたい」とも語った。

 同区によると、コロナ禍で、マスク着用や間仕切り設置などのために、声が聞こえにくいと高齢者が訴える場面が以前よりも増えたという。2021年から、要介護状態の一歩手前のフレイル(虚弱)という言葉から聴覚機能の低下を「ヒアリングフレイル」と呼ぶようにし、高齢者にチェックを呼び掛けている。

受診の目…

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2003年入社。船橋支局、千葉支局、甲府支局、姫路支局を経て、2017年4月から点字毎日部東京駐在。現在は視覚障害や障害分野などの取材をしている。