百寿者に学ぶ バランス健康術!

体を改善して死亡リスクを減らす 鍵を握る三つの食材

米井嘉一・同志社大学教授
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 今回は「食育」からベストチューンアップを考えます。車で例えれば、食事はエネルギー源としてガソリンの役目が主ですが、それに加えて、さまざまな栄養素がエンジンオイルやブレーキオイルのように円滑なドライブを手助けします。体のベストチューンアップによって、免疫機能や糖・脂質代謝、生殖機能を良い状態に保ち、健康長寿を目指しましょう。

超過死亡数とは

 寿命に影響する食材に関する最新研究も紹介しながら、その秘訣(ひけつ)を伝授しようと思います。チューンアップの指標は「超過死亡数」です。健康長寿を達成するには死なないことが前提になります。何かの原因で死亡率が上がるとしたら、それが死亡のリスクになります。

 公衆衛生の領域では、しばしばこの超過死亡数が使われます。超過死亡数とは、人口動態統計の死亡者数を基に算出され、ある時点の実際の死亡数が、例年の同時期の数値から予測される死亡数(95%信頼区間の上限値)を上回った場合を超過死亡の発生と定義しています。

 これらの調査結果は、国際的な研究チームによるプロジェクトGlobal Burden of Disease(GBD)によって集積され、解析されています。世界中の誰もが健康長寿を達成するため、国、時間、年齢、性別を超えて、何が人々を病気や死に至らしめるのかを研究する機関です。いろんな疾病、傷害、危険因子による健康損失を定量化するツールを提供し、各国の保健システムの改善に貢献しています。

不足すると過剰死亡を増やす食材

 GBDのツールを元に、国立健康・栄養研究所の津金昌一郎所長が集計した「摂取不足により過剰死亡が高まる可能性がある食品」を表(一部改変)に示しました。例えば、果実の摂取不足で、日本の死亡者全体の1.4%(2019年の死亡数は138万人だから1万9000人!)が過剰に亡くなっていることが読み取れます。

 ベストチューンアップされた体は、免疫機能、糖・脂質代謝、生殖機能の効率が最も良い状態になります。

 免疫機能がうまく機能すれば、病原菌やウイルスにも感染しにくくなります。新型コロナウイルスや変異株に対抗するためにぜひともお薦めしたい食材です。また、糖・脂質代謝が良好であれば、2型糖尿病の予防につながるでしょう。近年、日本では、糖尿病とその予備軍の数は2000万人に達すると言われており、糖尿病の予防対策が重要な課題になっています。

 それでは、ベストチューンアップのために推奨される三つの食材を紹介したい…

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米井嘉一

同志社大学教授

よねい・よしかず 1958年東京生まれ。慶応義塾大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科内科学専攻博士課程修了後、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校留学。89年に帰国し、日本鋼管病院(川崎市)内科、人間ドック脳ドック室部長などを歴任。2005年、日本初の抗加齢医学の研究講座、同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授に就任。08年から同大学大学院生命医科学研究科教授を兼任。日本抗加齢医学会理事、日本人間ドック学会評議員。医師として患者さんに「歳ですから仕方がないですね」という言葉を口にしたくない、という思いから、老化のメカニズムとその診断・治療法の研究を始める。現在は抗加齢医学研究の第一人者として、研究活動に従事しながら、研究成果を世界に発信している。最近の研究テーマは老化の危険因子と糖化ストレス。