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コロナから立ち直ったが… フランスの学校が抱える「悩み」とは

竹内真里・フランス在住ライター

 フランスでは暑さも和らぎ、夜は虫の鳴き声が聞こえ、秋の気配を感じられるようになった。9月は学校の新学年度の始まり。生徒たちがマスクなしの素顔で学校に登校できるようになった。新型コロナ禍からの立ち直りがみられうれしい限りだが、一方で学校はある深刻な「悩み」を抱えている。

厳しい対策なしで始まった新学年度

 フランスの学校では「始業式」「終業式」のようなかしこまった式典はないのだが、私の子どもが通う学校では、登校日初日に父母を対象に、校長や職員たちから手短なあいさつがあった。そこで新型コロナ対策について触れられることはなかった。満員の会場は熱気があったが、数カ所窓が開いているだけだった。

 ふと、新型コロナ騒動前にタイムスリップしたか、長い間夢を見ていたかのような気持ちになった。

 今後、状況が変化すれば、再びマスク着用などの厳しい対策が敷かれる可能性もあるが、少しの期間でも新型コロナに縛られなくなったのはありがたい。今のところ、学校行事も催行予定だ。

シンプルな設備と学習内容

 フランスの学校内をひと回りしての感想は、「極めて簡素」である。

 自分の子ども時代を振り返ると、公立小学校には、教室のほか、模型や実験設備も整った理科室、調理やミシンで裁縫もできる家庭科室、楽器がそろった音楽室、視聴覚室、図工室、跳び箱やマット、ボールなどもある体育館、プール、校庭、部活動ができる設備などが整っていた。広い校庭には遊具もあった。

 フランスの小学校には、このような設備はない。フランス語と算数を中心に教室で必須教科を勉強。体育の時間は少なく、プールも校内にはない。体育をするにはわざわざ市の施設まで行き、外部の指導者が担当する。音楽も楽器はない。学校でやらないことは、家庭で親が外部に連れて行って体験させる努力が必要だ。

 授業の充実度や進み具合は担任次第だ。教育熱心な担任にあたればラッキーだが…

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フランス在住ライター

1978年千葉県生まれ。2000年から2002年までフランス南部マルセイユに滞在。その後、東京や香港でライターとして取材・執筆に従事。2015年に再びフランスへ。現在はリヨン市内でフランス人の夫、娘と暮らしながら現地情報を発信している。