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外国人にマスク着用求められる? 水際対策緩和で日本が直面する課題

濱田篤郎・東京医科大学特任教授
新型コロナウイルスの水際対策が緩和され、海外から観光客らが続々と到着した関西国際空港=関西国際空港で2022年9月7日午前、高良駿輔撮影
新型コロナウイルスの水際対策が緩和され、海外から観光客らが続々と到着した関西国際空港=関西国際空港で2022年9月7日午前、高良駿輔撮影

 2022年9月から日本国内ではさまざまな新型コロナ対策の緩和措置がとられています。これは第7波の流行がピークを越えたこともありますが、欧米諸国などでとられている対策緩和の流れに沿った動きと言えるでしょう。中でも水際対策の緩和は社会経済の再生に必須の対応とされており、日本政府は特に力を入れています。今回は日本がどこまで水際対策を緩和できるかについて考えてみます。

何度も中止された水際対策緩和

 日本政府は20年1月に中国で新型コロナの流行が拡大してから、水際対策を順次厳格化していきました。具体的な対策としては、渡航中止勧告を発令し海外への渡航を止めるとともに、日本への外国人の入国を制限し、日本人の入国者にも厳しい検疫措置を課しました。この影響で、日本人の出国者数は19年の年間2008万人から、20年は317万人、21年は51万人、外国人入国者数も19年の3188万人から、20年は412万人、21年は25万人まで大幅に減少したのです。

 こうした鎖国とも言える厳しい水際対策により…

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東京医科大学特任教授

はまだ・あつお 1981年、東京慈恵会医科大学卒業。84~86年に米国Case Western Reserve大学に留学し、熱帯感染症学と渡航医学を修得する。帰国後、東京慈恵会医科大学・熱帯医学教室講師を経て、2005年9月~10年3月は労働者健康福祉機構・海外勤務健康管理センター所長代理を務めた。10年7月から東京医科大学教授、東京医科大学病院渡航者医療センター部長に就任。海外勤務者や海外旅行者の診療にあたりながら、国や東京都などの感染症対策事業に携わる。11年8月~16年7月には日本渡航医学会理事長を務めた。著書に「旅と病の三千年史」(文春新書)、「世界一病気に狙われている日本人」(講談社+α新書)、「歴史を変えた旅と病」(講談社+α文庫)、「新疫病流行記」(バジリコ)、「海外健康生活Q&A」(経団連出版)など。19年3月まで「旅と病の歴史地図」を執筆した。