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新型コロナ 少な過ぎる「ワクチン後の死亡」の救済認定

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
厚労省で開かれたワクチン分科会副反応検討部会=東京都千代田区で2021年3月12日午後1時2分、幾島健太郎撮影
厚労省で開かれたワクチン分科会副反応検討部会=東京都千代田区で2021年3月12日午後1時2分、幾島健太郎撮影

 2021年11月のコラム「新型コロナ ワクチン後の症状が長引く人たち」で述べたように、太融寺町谷口医院で初めて診察した「コロナワクチンによる長引く後遺症」の患者さんは21年7月上旬に訪れた40代の会社経営者でした。その後、数多くのワクチン後遺症の患者さんが受診されました。谷口医院では、ほとんどの人が半年以内にはほぼ治癒し、重度の障害を残した人は一人もいませんが、全国的には長期間寝たきりの状態が続いている人や、さらには死亡された人もいます。しかしこういった人たちに対するきちんとした補償が行われているとは言い難いのが現状です。今回は、現行の補償制度の何が問題で、どうあるべきなのかを私見を交えて紹介していきます。

 まずはコロナワクチン後遺症の分類をしてみましょう。おそらく正式な分類は国内のみならず海外にもないと思うので、私がこれまで診てきた患者さんの訴えや持続期間などから下記のように分類しました。

「ワクチン後の症状」を五つに分類

 #1 短期軽症型:接種1週間程度で消失するすべての症状を含む。発熱、倦怠(けんたい)感、疼痛(とうつう)、リンパ節の腫れなどがよくある訴え。

 #2 短期重症型:1週間を超えても症状が進行し、接種後3~4週間以内には入院を余儀なくされ、肢体不自由などの重篤な後遺症を残す。または接種後の期間にかかわらず死亡する。

 #3 中期型:接種後1週間以上たっても症状が持続し、命に別条はないが、最長で6カ月程度まで続く。頭痛、動悸(どうき)、倦怠感などが比較的多い訴え。

 #4 長期型:接種後6カ月以上持続。倦怠感、抑うつ症状、食思不振、体重減少などが主症状となる。慢性疲労症候群と同じような状態となることがある。

 #5 持病再発型:しばらく落ち着いていた持病が新型コロナワクチン接種を契機に再び発症。頻度が多いのが、ヘルペス(口唇ヘルペス、性器ヘルペス、あるいは他の部…

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太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト 無料メルマガ<谷口恭の「その質問にホンネで答えます」>を配信中。