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ポリオ 米国や英国も「発生国」に いずれ日本も

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
ポリオワクチンの予防接種を受ける子供=徳島県鳴門市内で2012年4月26日午後2時10分、阿部弘賢撮影
ポリオワクチンの予防接種を受ける子供=徳島県鳴門市内で2012年4月26日午後2時10分、阿部弘賢撮影

 11月7日、外務省は同省のウェブサイト「海外安全ホームページ」に掲載している、ポリオウイルスに関する注意喚起を更新しました。ポリオには発展途上国の子供の病気というイメージがありますが、今回の更新では「ポリオ発生国」に英国そして米国も含められました。ポリオワクチンは幼児期の「定期接種」ですが、同省は「追加の予防接種」として、定期接種を終えている成人に対しても、ポリオ発生国への渡航前には追加接種を検討するよう呼び掛けています(※編集部注)。ポリオについては日本ではさほど取り上げられませんが、実は、今年(2022年)になってから英国・米国を含む世界各地でさかんに報道されています。米ニューヨーク州では成人の感染者が報告されました。今回は(新型コロナウイルス感染症とは対照的な)古典的な感染症であるポリオについて現在の注意点を私見も交えてまとめてみたいと思います。

 ポリオについては本連載で過去に取り上げたことがあります。公開したのは新型コロナのパンデミック(世界的流行)が始まる直前の19年12月31日、タイトルは「ポリオのワクチン『成人でも』打つべき人は?」です。この記事のポイントは次のようになります。

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太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト 無料メルマガ<谷口恭の「その質問にホンネで答えます」>を配信中。