子どもの健康“あるある”相談室 フォロー

やっぱり不安…だから知っておきたい子どもの新型コロナワクチン 基本のキ

白井沙良子・小児科医/小児科オンライン所属医師
 
 

 新型コロナウイルスワクチンは、5~11歳に続いて、日本でも今年10月から、生後6カ月~4歳の乳幼児も接種できるようになりました。お子さんに本当に接種を受けさせて大丈夫なのか。どれほどの効果があるのか――。まだ新しいワクチンですから、さまざまなことが不安になりますよね。そんな時にまず心がけてほしいのは、三つの「○○的」(科学的・医学的・客観的)な情報にあたることです。

 今回は、子どもの新型コロナワクチンに関して皆さんが疑問に思うことに答えるべく、三つの「○○的」な情報に基づいて、現状を解説します。お子さんの新型コロナワクチンを正しく知り、判断する一助になれば幸いです。

日本小児科学会が「推奨」に変更した理由

 現状として、5~11歳の接種率は、「1回以上」が20.0%(「2回接種」は19.1%)、12~19歳ではそれぞれ75.2%(74.4%)となっています(2022年11月28日公表時点)。

 日本小児科学会は当初、5~11歳への新型コロナワクチンについて「接種する意義がある」という表現にとどめていました。しかし22年9月、「接種を推奨する」という表現に変更しました。

 また、10月から接種が始まった生後6カ月~4歳を対象とした新型コロナワクチンについても「全ての子どもに接種を推奨する」との見解を示しました。

 なぜ子どもにも新型コロナワクチンを「推奨する」となったのでしょうか。

 一つは、子どもの感染者数が増えたからです。現在、新型コロナ感染者における子どもの割合は、20年の流行当初より明らかに増加しました。22年1月以降は、感染者全体における10歳未満の子どもは10~20%、10代も含めると30%程度です。

 二つ目の理由は、子どもでも重症化する例が報告されたからです。95%以上の症例は軽症ですが、オミクロン株流行下では発熱する頻度がより高く、また熱性けいれんの報告数も多くなっています。

 他にも、クループ症候群(※1)や肺炎、小児多系統炎症性症候群(MIS-C、※2)、脳症、心筋炎なども報告され、22年1~8月までに300例以上の中等症・重症例がありました。特に2歳未満や、心臓などに基礎疾患を抱えるお子さんでは、重症化リスクが増大するといわれます。

※1:ウイルス感染症などによってのどの奥に炎症が起こり、「ケンケン」としたせき(犬がほえるような音、オットセイの鳴き声のような音)や呼吸困難などが生じる

※2:複数の臓器で強い炎症を起こし、下痢や腹痛、嘔吐(おうと)といった腹部の症状、発熱、低血圧、心不全などが起こる

 また感染者数の増加に伴って、子どもの死亡例も報告されました。オミクロン株流行前は、国内では10歳未満の死亡例はなく、10代は3例でした。

 しかし、オミクロン株流行後は少なくとも29例の死亡例が報告されており、年齢別にみると、0歳が8例▽1~4歳6例▽5~11歳12例▽12~19歳3例――でした。なお、男児55%、女児45%…

この記事は有料記事です。

残り3021文字(全文4253文字)

小児科医/小児科オンライン所属医師

しらい・さよこ 小児科専門医。「小児科オンライン」所属医師。IPHI妊婦と子どもの睡眠コンサルタント(IPHI=International Parenting & Health Insutitute、育児に関するさまざまな資格を認定する米国の民間機関)。慶応大学医学部卒。東京都内のクリニックで感染症やアレルギーの外来診療をはじめ、乳幼児健診や予防接種を担当。2児の母としての経験を生かし、育児相談にも携わる。***小児科オンラインは、オンラインで小児科医に相談ができる事業です。姉妹サービスの「産婦人科オンライン」とともに、自治体や企業への導入を進めています。イオンの子育てアプリより無料で利用できます。詳細はこちら