みなさん、こんにちは。
光武です。
3月に入り、花粉が飛び交う季節となりました。
僕は花粉症にまだ悩まされていないのですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
社内を見渡してみても、期末ということもあり、皆があわただしく動いています。キャリアコンサルタントとして多くの人と触れ合うので、どうしても視点がそちら側に寄ってしまいがちですが、この時期は自分探し、モラトリアム的な思考になる人が多く、3月を区切りとして今ある環境を変える大きな選択をする傾向がありそうだと思います。
長く取り組んできた障害者雇用という視点でキャリア形成を考えてみると、発達障害当事者が自分に向いている仕事を選べるかどうかは死活問題になると、僕は思っています。自分の得意な部分を生かすとしても、苦手な部分を仕組みで補完するとしても、どちらにせよ、しっかりと具体的な準備が必要となります。そんな準備を進める中で表面化しやすい問題を今日はご紹介しようと思います。
「業務の優先順位が違う」と指摘され
現在、東京都内のITシステム会社の経理を担当している立花さん(仮名)は30歳を目前にして人生の岐路に立っていました。発達障害の一つ、自閉スペクトラム症(ASD)の彼女は今まで転職を3回経験していて、ここでさらに転職をするか、現職にとどまるか、そのどちらかを選ばなくてはいけませんでした。
「光武さん、ちょっとさ、今日はゆっくり話聞いてほしいんだけど……」
ちょっと疲れた顔をして、僕が経営するバーに訪れた立花さん。彼女の話を掘り下げていきたいと思います。
「光武さん、私、会社辞めようかどうかで悩んでて……」
「なるほど、えっと、ちょっと確認したいんですけど。たしか立花さんって、1年前にも転職してませんでしたっけ? 相談を受けた記憶があるんですけど、違ってたらごめんなさい」
「えっと、その通りです。来月でちょうど1年です。でも続けていいものかどうか、どうしても考え込んでしまってて……」
「分かりました。もう少し状況を詳しく教えてもらってもいいですか?」
「はい、前回もそうだったので、懲りないなって光武さんは思われるかもしれません。転職しようか悩んでいるのは職場の人間関係です」
「具体的には人間関係のどんな部分で悩んでいらっしゃるんですか?」
「えっと、大前提として、上司や同僚からの期待に対して自分が全然成果を出せていなくて、期待が失望に変わっていくことに負い目があるんです。よく周りから指摘されるのが、業務の優先順位が違うってことなんです。私なりに一生懸命お仕事を順序だててやっているつもりなんですけど、いつまでたっても指摘されてしまっていて……。それで、どうしても自分のやり方を譲れなくて、結果、周りからの指摘を無視している形になっちゃうんです」
「なるほど、そのまま続けて大丈夫ですよ」
自分のやり方に固執しがちなASD
一つ補足を入れておく方が良さそうです。なぜ彼女がこうした指摘を受けてしまうのか…
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発達障害キャリアカウンセラー
1985年、佐賀県出身。上智大学文学部中退後、フリーの予備校講師として活動し、学習参考書や発達障害関連の記事を執筆。障害者雇用を基軸とする人的資本経営の人事・組織コンサルタントを経て、株式会社Speeeにて中途採用リクルーティング業務に従事。2017年に発達障害者のためのバー「The BRATs(ブラッツ)」を東京・渋谷でオープン(現在は東京都内のイベントバーで随時開催中)。店舗のホームページ 光武さんのX(旧ツイッター)アカウント





