
テレビ映像をみながら、「これはトランプ米大統領への上品なる抵抗だ」と思った。英国のヘンリー(ハリー)王子(33)と米国の女優、メーガン・マークルさん(36)の結婚式(5月19日)である。このセレモニーに込められたメッセージを読み解いてみる。
英王室を直接取材することは難しい。彼らの考えをどうやってくみ取るか。「セレモニーやイベントをよく見ておくこと。王室は自分たちの思想をそっと忍ばせるから」。ロンドン特派員当時、友人の地元ジャーナリストにこうアドバイスされたことがある。
なるほど王室関連行事では、招待者のリストから出席者の席順、あいさつ内容に至るまで事前に詳細な打ち合わせがなされる。その中に王室の考えが潜むのは自然だろう。
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小倉孝保
編集編成局次長
1964年生まれ。88年入社。カイロ、ニューヨーク両支局長、欧州総局長、外信部長を経て現職。英外国特派員協会賞や小学館ノンフィクション大賞、ミズノスポーツライター最優秀賞の受賞歴がある。