受動喫煙対策「時代の流れ」に追いついたか 皆さんのご意見は?

水無田気流・社会学者・詩人
  • 文字
  • 印刷
水無田気流さん
水無田気流さん

 今月19日、受動喫煙対策強化のための健康増進法改正案が、衆院を通過しました。争点は、山東昭子氏もご指摘のように、「客席100平方メートル以下」で「個人経営や資本金5000万円以下」の既存店は、「喫煙可能」と表示すれば喫煙を認める猶予措置です。これに該当する飲食店は全体の55%とされるため、実効性を疑う声もあがっています。

 喫煙は、個人の嗜好(しこう)の問題か、はたまた公共の場で周囲の人たちへ健康被害をもたらす社会問題なのか……。留意したいのは、一昔前と比べて、喫煙の現況は大きく変わり、喫煙とりわけ受動喫煙の健康被害についての認知も高まってきている点です。たとえば、1965年には成人男性の8割超が喫煙者でしたが、2016年現在は同3割、男女合わせても喫煙者は成人の2割弱しかおりません。また、厚生労働省「国民健康・栄養調査」(2016年)によれば、受動喫煙機会のある場は「飲食店」が首位で42.2%と、「家庭」7.7%と比べても極めて高く、それだけ公共の場での規制の必要性が示唆されます。

 たしかに飲食店が喫煙者を締め出すことにより、売り上げが低下するのではないか……との懸念も理解できます。ただ他方、個人的に私は妊娠中にたばこの臭いが駄目になってしまい、以来かなり苦手です。とくに妊娠初期は、横で吸われるだけではなく、夜の混んだ電車の中で、喫煙者の呼気や服についたたばこの臭いだけでも吐きそうになり、電車を降りて休み休み帰宅しなければならなかったこともあります。飲食店の中でも、せめて体調の悪い人や妊産婦、さらには小さい子どももいるような空間は、もう少し分煙を徹底したほうがよいのではとも思いますが、読者のみなさまは、いかがお考えでしょうか。喫煙者、非喫煙者問わず、ご意見をいただけましたら幸いです。

水無田気流

社会学者・詩人

1970年生まれ。国学院大教授。専門は文化社会学、ジェンダー論。著書に「『居場所』のない男、『時間』がない女」など。詩人として、詩集「音速平和」で、中原中也賞を受賞。ブログ http://d.hatena.ne.jp/minashita/ 、ツイッター @nonaioyaji
。本名の田中理恵子名義でも執筆。