
注目すべきは生産性の変化
将来を語る、将来を考える上で重要なことは、今日現在日本が再び人材が資源といわれる時代に戻ったことだと思います。「人は石垣」と語ったのは武田信玄ですが、長らく日本には、人以外の資源がないといわれてきました。
しかし、バブル崩壊後、雇用・設備・債務の三つが過剰といわれて、人はむしろリストラの対象として見られてきました。その間、企業はリストラに励み、団塊の世代が労働市場から徐々に退出する時代を経て、今では正社員の有効求人倍率が1.10(18年5月)となりました。人がまさに再び求められる時代です。
そうした中で私が注視している一つの指標は、生産性の変化です。残念ながら、労働市場から人が退出していく一方で、我が国の労働生産性は大きく伸びてはおりません。日本の人材の質が悪いのか、いやそうではありません。
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浅尾慶一郎
元衆院議員
1964年生まれ。87年日本興業銀行入行、98年参院議員初当選(神奈川選挙区)、2009年衆院初当選(比例南関東)。17年衆院選で落選。みんなの党政調会長、幹事長、代表を歴任した。外交安保の政策通として知られる。
連載:浅尾慶一郎「将来を語る」
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