政治プレミア 長島昭久さんの寄稿に一言

「平和国家」の枠組み、維持できるのか ご意見募集

    田原総一朗さん
    田原総一朗さん

     日本の自衛隊は、交戦権を否認しているが、世界有数の規模の実力組織で、大きな矛盾を抱えている。ところが、歴代の政権は、ここに切り込まなかった。なぜなら政治家本人に戦争体験があったから。濃淡こそあれ自衛隊を「戦える軍隊」にすることは基本的に反対だったからこそ、憲法9条2項が維持されてきた。

     安倍晋三首相が9条1項、2項を維持したうえで「自衛隊明記」の改憲を提起したのは、「自衛隊は戦えなければいけないのではないか」という問いかけなのだと私は解釈している。要は歴代政権が歩んできた「平和国家」から、英仏などと同じ「普通の国になっていいか」という論点だ。

     長島さんは、安倍さんの提案を「小手先」としたうえで、「もはや空文化した9条2項を改正し……『陸海空軍その他の戦力』の保有を憲法上認め、それを国民がコントロールする仕組みを定め、戦力の使い方や行使の範囲を明文で規定すべきである」と主張する。本来は野党が十分に時間をかけて考えをまとめ、議論を受けて立つべきだろう。

     私自身は、アジア諸国から信頼を得てきた「平和国家」の枠組みは崩すべきではない、と考えている。しかし一方で、個別的自衛権を放棄しつつ、NATO(北大西洋条約機構)などでの集団的自衛権の行使を前提としたドイツのようなあり方も今後の参考になる。

    長島さんの寄稿は、重大な問題提起だと思う。だから、自民党、立憲民主党、国民民主党、公明党も入れて時間をかけた論議をすべきである。

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    プロフィール

    田原総一朗

    田原総一朗

    ジャーナリスト

    1934年生まれ。司会を務める「朝まで生テレビ!」(テレビ朝日系)は放送32年目。近著に「平成の重大事件 日本はどこで失敗したのか」(猪瀬直樹氏と共著)。公式サイトhttp://www.taharasoichiro.com/、ツイッター @namatahara