憲法9条に「防災と富士山」規定を

川勝平太・静岡県知事
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川勝平太氏=長谷川隆撮影
川勝平太氏=長谷川隆撮影

 日本国は「国民」と「国土」とからなる。杜甫(とほ)が「国破れて山河あり」とうたったように、国難に際しても、故郷の山河は生きる希望の糧となり、復興の基礎になる。国土を離れて国はない。国土は過去、現在、未来と世代をこえて生存の基礎であり、国民国家の本質である。

 日本国憲法は、前文につづけて、次の全11章103条からなる。第1章(第1~8条)天皇▽第2章(第9条)戦争の放棄▽第3章(第10~40条)国民の権利及び義務▽第4章(第41~64条)国会▽第5章(第65~75条)内閣▽第6章(第76~82条)司法▽第7章(第83~91条)財政▽第8章(第92~95条)地方自治▽第9章(第96条)改正▽第10章(第97~99条)最高法規▽第11章(第100~103条)補則

 一目瞭然、憲法に国土はうたいこまれていない。あまりにも人間中心主義である。人間が、それなしでは生きられない環境、人間とともにある生きとし生けるものへの配慮がない。なお、ここでは、人間以外の動物や山川草木、ならびに領海・排他的経済水域をまとめて、国土と表現する。

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川勝平太

静岡県知事

1948年生まれ。早稲田大学政治経済学部教授、国際日本文化研究センター教授などを経て、2009年に静岡県知事、現在3期目。