政治プレミア 菅原琢さんのまとめ

河野議員の「党議拘束緩和」提案 国会改革だけで済む問題か

     高い理想を掲げて導入された「改革」が大した成果を生まないことは、政治に限らずよくあることです。「やりたいこと」が先にあり、これを「改革」と名付けるために目的として高い理想を後付けするような場合が多いでしょうか。

     日本の国会に関しては、1999年の改革で党首討論が導入され、大臣に代わり官僚が答弁を行う政府委員制度が廃止されました。これらは自民党と連立した際に旧自由党が求め、実現した「改革」です。これを導入した法律には「国会における審議を活性化する」、「政治主導の政策決定システムを確立する」といった目的が掲げられていますが、現在の国会を見てこの目的が明確に達成できたと主張できる人はあまりいないと思います。われわれ一般の有権者の立場からすれば、副大臣というすてきな肩書を創出するための、つまり与党議員の利益のための「改革」だったと断じてもおかしくはないでしょう。

     もちろん、ここで国会改革が無意味と言いたいわけではありません。現状の問題点を認識し、これが生じる背…

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    プロフィール

    菅原琢

    菅原琢

    政治学者

    1976年生まれ。東京大学先端科学技術研究センター准教授など歴任。専門は政治過程論。著書に「世論の曲解」、共著「平成史:増補新版」など。戦後の衆参両院議員の国会での活動履歴や発言を一覧にしたウェブサイト「国会議員白書」http://kokkai.sugawarataku.net/を運営。