時の足音

平成が培った終戦の日

伊藤智永・編集委員兼論説委員
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全国戦没者追悼式で、おことばを述べられる天皇、皇后両陛下=東京都千代田区の日本武道館で2018(平成30)年8月15日、長谷川直亮撮影
全国戦没者追悼式で、おことばを述べられる天皇、皇后両陛下=東京都千代田区の日本武道館で2018(平成30)年8月15日、長谷川直亮撮影

 平成最後の終戦の日、戦没者を追悼する天皇陛下のお言葉が、すでに昭和天皇の回数を超えていたことに今更ながら気づいた。平成の時代が30年かけて、昭和を継承しながらも、戦争を顧みる独自のスタイルを築いてきたと言えるのではないか。来年から次の時代のスタイルが始まる。区切りの時に、戦争の振り返り方を、お言葉から考えてみたい。

 政府主催の全国戦没者追悼式が、8月15日に東京の日本武道館で、現在のような形式で行われるようになったのは、意外に遅く戦後20年の1965(昭和40)年からである。

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伊藤智永

編集委員兼論説委員

記者歴30余年。平成の日本政・官界を担当してきた。ジュネーブ特派員として2010年、アラブ民主革命やギリシャ経済危機の現場を歩く。毎日新聞にコラム「時の在りか」連載中。著書に「靖国と千鳥ケ淵」(講談社+α文庫)「忘却された支配」(岩波書店)他。