移民政策「身近な現場」から考えよう ご意見募集

菅原琢・政治学者
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菅原琢さん
菅原琢さん

 欧米諸国のニュースを見ると、どの国でも移民政策が非常に大きな政治争点となっています。一方、日本の政治報道において移民政策が大きな話題となることはこれまでほとんどなかったと思います。新聞各紙の政治記者が政局取材に集中し、われわれ社会にとって何が重要な政策課題なのかを理解せず十分な知識もないため、というのがモデレーターの見解です。

 それでも最近は、外国人労働者に関するニュースも増えてきました。すでに多数の外国人労働者が日本に居住し、働いているという現実が、ニュースを生み出しているのです。このため、政治ではなく社会のニュースとして報道されることが多くなっています。しかし、社会への影響が大きくなってはじめて政策の重要性に気付かされるのでは遅すぎます。

 大塚耕平議員の議論は、こうした状況に対して政界から一石を投じようとするものです。政府の移民政策の方向性に懸念を示すだけでなく、諸外国との対比の中での日本の移民政策の現状を整理しています。この問題についてあまり詳しくない場合には、これを読むだけでよい勉強となるでしょう。

 一方で、政策のあり方に議論が集中しているため、抽象的でともすれば人ごとにも感じます。たとえば、外国人労働者の生活や労働の実態は、大塚議員の議論からはあまり垣間見えません。国民民主党としての具体的な政策の方向性も明確ではありません。

 そしてここに、読者のみなさんが政治家に対してコメントする意味があります。多くのみなさんは、近隣住民として、客として、同僚として、あるいは雇用主として、外国人の労働者と日々接しているはずです。もちろん、自分自身がそうだという方もいるはずです。

 ぜひ、そうした“現場”の経験、実態も踏まえ、今後の日本の移民政策はどうすべきか考えてみてください。そして日本社会を構成するひとりとしてコメントしていただければと思います。

菅原琢

政治学者

1976年生まれ。東京大学先端科学技術研究センター准教授など歴任。専門は政治過程論。著書に「世論の曲解」、共著「平成史【完全版】」など。戦後の衆参両院議員の国会での活動履歴や発言を一覧にしたウェブサイト「国会議員白書」https://kokkai.sugawarataku.net/を運営。