ふらっと東アジア

北朝鮮の「金もうけ熱」と非核化

米村耕一・外信部副部長
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中朝国境を流れる鴨緑江で密輸を取り締まる中国側の警察船
中朝国境を流れる鴨緑江で密輸を取り締まる中国側の警察船

 トランプ米大統領は、ポンペオ国務長官がいったんは発表した4回目の訪朝計画の取り消しを指示した。米中間の貿易問題を優先するとも強調しており、北朝鮮の「非核化」問題は長期戦の様相を見せている。一方、北朝鮮国内や中朝国境に目を向けると、北朝鮮の人々の間には「金もうけ熱」が一層高まっている。経済重視路線の金正恩(キム・ジョンウン)政権としても、米国との決裂は望まず、長期戦の構えで、自国に有利かつ安定した国際環境作りを模索する可能性が高い。

 「なんとか力を貸してほしい。あなたが助けてくれれば、私は必ず組織の中で出世でき、翻ってあなたの利益にもなる。今は私の国でも、スローガンを叫んで忠誠心を示すだけでは意味がない。出世するには、とにかく金なんだ」

 7月下旬、国家機関から派遣された北朝鮮のビジネスマンにこう持ちかけられた中国人貿易関係者は、その率直さに驚いた。

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米村耕一

外信部副部長

1998年入社。政治部、中国総局(北京)、ソウル支局などを経て2018年から外信部副部長。著書は「北朝鮮・絶対秘密文書 体制を脅かす『悪党』たち」。