F35Aは誰のものか?

尾上定正・元空将
航空自衛隊の最新型戦闘機、F35A=愛知県豊山町で、兵藤公治撮影
航空自衛隊の最新型戦闘機、F35A=愛知県豊山町で、兵藤公治撮影

 2019年度防衛予算概算要求に、昨年度に続いてF35A6機、916億円(約153億円/機)が計上された。巨額過ぎて実感が伴わないが、日本の人口(1.2649億人)で割ると約725円/1人の負担となる。その他の整備用器材等関連経費(475億円)を含めると約1100円、4人家族の家計では4400円という額になる。

 F35Aは航空自衛隊の最新型戦闘機として我が国の空の守りを担う主力装備品であり、決して税金の無駄遣いではない。ただし、F35Aを真に我が国のものとして空自自身が使いこなす体制を構築できれば、の話だ。

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元空将

1959年生まれ、82年防衛大学卒(26期)。第2航空団司令兼千歳基地司令、北部航空方面隊司令官などを歴任し、航空自衛隊補給本部長を最後に2017年に退官。19年7月からハーバード大学アジアセンターのフェローに就任。