
東大法科大学院に映画研究会(映研)という学生の集まりがあって、毎年1回、9月に一般公開で映画を見た後にトークセッションをする「本郷映画祭」が開かれている。ふつうなら私には関係ないイベントなのだろうが、第4回の今年、そこに登壇してほしいという依頼が主催者の学生からあった。見る映画が「シン・ゴジラ」だという。私が防衛大卒の記者だからなのだろう。それでなんとなく引き受けてみたのだが、9月22日に東大の正門を入ったすぐのガラス棟の教室で開催された「第4回本郷映画祭 シン・ゴジラと安全保障」は、なかなか中身の濃いイベントだった。
法哲学者の井上達夫・東大大学院教授が映研の顧問をしていた。このところ憲法9条問題について発言してきた井上先生とは、毎日新聞労組が2016年1月に主催したシンポジウム「自衛隊って『戦場』に行くの? 問われる国民合意と報道」でご一緒した関係である。井上先生と世界の紛争地の武装解除を数多く経験した東京外国語大大学院教授の伊勢崎賢治先生、さらに陸・海の自衛隊将官OBも登壇して議論する、リベラルな毎日労組…
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連載:自衛隊のリアル
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