
女子テニスの大坂なおみ選手(20)はコートの外でも決して「無邪気」なんかじゃない。何だか少し眠たげな目、いつも恥ずかしそうな話し方、片言の日本語が聞く人の警戒心を解き、少女の面影を残している印象があるが、自らのアイデンティティーを語る言葉は、どれも陰影のある省察と明確な意志をうかがわせる。
「たぶん、みんな私が何者なのかはっきりと言い表せないから、誰でも私を応援してくれるんじゃないかしら」(8月23日付米ニューヨーク・タイムズ紙の特集記事)
「今日(上の記事を読んだ)私みたいなハーフの子供たちが私のことを尊敬してくれているみたいで、すごいなと思った。子供たちにそんなふうに思ってもらえたらいい」(8月24日、全米オープン前の記者会見)
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