野党統一候補は目的ではない 「自公打破」以外の意義を 長妻さん「選挙制度」寄稿に

菅原琢・政治学者
菅原琢さん
菅原琢さん

 選挙制度と野党の選挙戦略という二つの大きな論点を含んだ今回の長妻昭議員の論考には、たくさんのコメントが集まりました。長妻議員の左右両方からの“人気”がそうさせた側面もあるでしょう。しかしそれ以上に、選挙制度の話題はそれが政治のありようを大きく変える可能性を秘めるだけに、政治プレミアの熱心な読者である政治通のみなさんの琴線に触れたのだと思います。そこで今回は、まず選挙制度の話題を中心にコメントを整理し、野党共闘については最後に簡単に議論しておきたいと思います。

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政治学者

1976年生まれ。東京大学先端科学技術研究センター准教授など歴任。専門は政治過程論。著書に「世論の曲解」、「データ分析読解の技術」、「平成史【完全版】」(共著)、「日本は「右傾化」したのか」(共著)など。戦後の衆参両院議員の国会での活動履歴や発言を一覧にしたウェブサイト「国会議員白書」https://kokkai.sugawarataku.net/を運営。