テクノロジーでつなぐ政治と「僕ら」

伊藤和真・PoliPoli(ポリポリ)最高経営責任者
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伊藤和真氏=岡本同世撮影
伊藤和真氏=岡本同世撮影

 PoliPoli(ポリポリ)は、政治と人々のコミュニティーを作り、(1)何か困ったら政治に不満を伝え(2)PoliPoliに参加すればするほどトークン(ポイントのようなもの)がもらえるトークンエコノミーという新しい概念を用いたサービスです。

 さて、今日はPoliPoliの説明というより、僕が思う現状と未来の姿、そしてなぜこのような仕組みが必要なのか、ということについてお話ししたいと思います。

政治の世界ではイノベーションが遅れている

 インターネットの普及により世の中の情報量は飛躍的に増え、時代が「非マス化」していると言われています。

 生産・取引コストの減少で情報が大量に生産され流通するようになりました。さまざまなコンテンツが生まれ、多様な文化や価値観が共存するようになった、というのが「非マス化」ということです。

 新聞やテレビなどのマスメディアと比べ、動画サイトで発信する「ユーチューバー」と言われる人たちが簡単にコンテンツを制作できるようになったのが、分かりやすい例です。

 この「非マス化」という流れが、経済から文化まで全てを変えつつあります。

 世の中の根本の仕組みを作る政治は、いつの時代もイノベーションが遅れます。政治へ不信が強まっている今、この「非マス化」という流れに政治もあわせていく必要があります。

どのように政治を「非マス化」するか

 これまでのマス社会では、官僚と定期的に選ばれた政治家にある程度任せておけば世の中が回っていくと思われていました。

 しかし、価値観が多様化するなかで、人々は政治が自分たちのニーズに対応しきれていないと感じています。

 この政治と人々の乖離(かいり)こそが最大の問題です。

 最近の政治家や官僚は無能だ、などという話をよく聞きますが、現在の政治家や官僚が昔より劣っているという話ではありません。時代の実態と政治がずれていることが問題なのです。

 そして、「非マス化」の変化の真っただ中にいる僕らは未来の世代のためにも選挙だけでない、政治と人々をつなげる仕組みを作らねばなりません。

なぜベンチャー企業として、このような仕組みを作る必要があるのか

 千葉市の「ちばレポ」や米メイナー市の「イノバック制度」など、政治と人々をつなげる素晴らしい取り組みは今までもありました。

インターネットを使って市民から地域の課題をリポートしてもらう「ちば市民協働レポート」
インターネットを使って市民から地域の課題をリポートしてもらう「ちば市民協働レポート」

 現代において世の中を本当に変えるのはビジネスとテクノロジーの力です。

 市場の競争のなかで持続可能なビジネスでなければ、人々のニーズに応えられるサービスにはならないからです。アップルやフェイスブックなどの例を見てもそうでしょう。

 そして、僕らPoliPoliもベンチャーとしてスピード感を持って、政治と人々をつなげるサービスを作ります。

 政治と人々の交流する場を作るだけだと議論が荒れてしまったり、人々が参加するインセンティブ(動機付け)がないなどの課題があります。これは政治と人々をつなげるネットサービスが出てこなかった大きな理由でもあります。

 PoliPoliはブロックチェーン技術の出現によって生まれたトークンエコノミーと評価経済のモデルを利用してこの課題を解決します。

 具体的には、政治家と人々の信頼を可視化します。良いことをいうとトークンがもらえ、場を荒らすと信頼が失われトークンももらえにくくなるというものです。これによって「荒れる」などの課題を解決すると同時に、社会問題の解決策提案に参加することに一種の楽しさを持ち込むことで、政治と人々をつなげていきます。

おわりに

 政治が少しでもよくなることで世の中に与える影響は計り知れません。

 僕たちPoliPoliはテクノロジーで世の中を幸せにできると信じ、政治分野にもイノベーションを起こしていきます。

 現在AppStoreにてベータ版を公開していますので、興味がある方はぜひのぞいてもらえると幸いです。

伊藤和真

PoliPoli(ポリポリ)最高経営責任者

1998年生まれ、慶応大学在学中。俳句のiPhoneアプリを毎日新聞社に事業売却するなどアプリ開発を行う傍ら、F Venturesにてベンチャー投資業務を行う。現在は、株式会社PoliPoli代表として、政治のコミュニティアプリ「PoliPoli」を開発中。週刊東洋経済が選ぶ「すごいベンチャー100」に選出された。