レギュラー 浅尾慶一郎「将来を語る」

なぜ文科省が高校担当を新設したのか? 勉強しない高校生

    浅尾慶一郎氏=太田康男撮影
    浅尾慶一郎氏=太田康男撮影

     先般、興味深い調査結果が文部科学省より公表されました。21世紀出生児(2001<平成13>年出生児)の継続調査の平成29(2017)年第16回調査結果についてです。

    高校生になると勉強しなくなる

     この調査は01年に出生した子の実態及び経年変化の状況を継続的に観察することで、国の教育施策を検討・立案するためになされているものです。

     具体的には、1月10~17日の間に出生した子及び7月10~17日の間に出生した子につき出生時から25年間、同じ子どもを学校教育期間から就業に至るまで毎年調査することで継続データを得ることを目的にしているものです。

     調査の時期を1月生まれは17年1月18日、7月生まれは17年7月18日に実施することで、同じ学年に基本的には在籍している者の調査になるようになっています。

     今回の調査の特色としては、授業の予習・復習や受験勉強のための家や塾などでの勉強時間が高い順に平日が「1時間未満」が29.3%、「1~2時間未満」27.7%、「しない」が25.4%、休日が「しない」が26.3%、「1時間未満」23.1%、「1~2時間未満」21.4%となっており、1年前の中学3年時と比べると大幅に勉強時間が減少した点にあります。

     特筆すべきは、中学1、2年の時と比較しても平日、休日共全く勉強しないという子が増えている点にあります。勉強しなくなる理由は不明ですが、高校の授業についていくことが難しいことが要因だとすると対策も抜本的なものが求められます。いわゆる習熟度別の教育の導入なども対策案として浮上します。

    よりきめ細かな高校教育に

     こうした中、文部科学省が10月16日付で興味深い機構改革を行いました。初等中等教育局に高校を担当する参事官(課長級)を初めて置くというものです。事実上の高校教育を担当する課長ということですが、これまで担当課がなかったことも問題だと思いますが大きな前進です。

     もちろん、高校教育は都道府県教育委員会が主管する訳ですが、文部科学省に担当部局ができることでよりきめ細かな対応が出来ればと思います。

     具体的には、すべての子どもに同じ内容を教えるというよりは出来るだけ将来の進路にあわせた形での教育が求められるでしょう。その場合に、各地域の特色なども重要な要素となるはずです。

     例えば、観光業が盛んな地域においては、外国人観光客4000万人時代を見据えて生きた語学教育により力をいれる学校があっても良いはずです。

     教育分野でも地域の特色にあわせた教育が出来るか否かは地域・自治体の持続可能性にも関連する課題となります。

    選ばれる自治体になる必要性

     前回、人口減少社会における自治体間競争というタイトルで私の考えをお伝えしました。今後、人口が減少する中、選んでもらえる自治体になれるか否かは、自治体経営上もそして自治体の持続可能性をはかるうえでも重要な要素となります。

     人口減少のなかで、人口を維持するために居住する人を奪いあう競争の時代に、首都圏も含めて入ったと考えても過言ではありません。

     選ばれる自治体にならなければ、住民サービスも提供出来なくなるという事態に陥ることも考えなくてはなりません。

     少し前になりますが、国土交通省の人と議論をしていた際に、今後、過疎化が進んだ地域において、すべての既存の道路の維持・更新投資が出来ない地域も出てくる可能性があるという話をしました。

     その際、例えば橋の維持が出来なくなった地域で、その橋を取りはずす費用を当該自治体で持つのか、広域自治体たる都道府県で面倒を見るのか、国が責任を持つのか問題になる、という興味深い話もありました。

     東京都内あるいはすぐ近い地域にタワーマンション等の供給が増えています。東京により近い所に住めるようになったので、より遠くにある自治体においてはその地域の特色を高めることで、遠くても選ばれることが必要になります。

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    プロフィール

    浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎

    元衆院議員

    1964年生まれ。87年日本興業銀行入行、98年参院議員初当選(神奈川選挙区)、2009年衆院初当選(比例南関東)。17年衆院選で落選。みんなの党政調会長、幹事長、代表を歴任した。外交安保の政策通として知られる。