消費増税このタイミングでいいのか 馬淵さん「引き下げ論」深化に期待

西田亮介・東京工業大学准教授
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西田亮介さん
西田亮介さん

 消費税増税は値上げのその日から家計に直結する。それだけに関心も高く、読者の皆様方から大変多くのコメントをいただいた。まさにインターネットの醍醐味(だいごみ)だ。

 呼びかけ記事と元の馬淵澄夫氏の記事などにいただいたコメントのなかで、やはり目立ったのは増税「順序」に対する違和感だろう。第2次安倍内閣以後、大手企業中心に過去最高益を記録した報道が相次いだ。最近でも日立やユニクロを展開するファーストリテイリングなどが今期過去最高益を更新したことが報じられている。日経平均株価も直近でこそ不安定な動きを見せるが、大きく改善した。

 その一方で、企業の国際競争力向上を理由に法人実効税率の引き下げが続いている。企業に対しては多くの補助金や税制優遇が用意されている(中小企業についてはなおさらである)。IT機器の導入や設備投資についてさえ手厚い優遇が行われている。大学等の非営利組織のみならず、企業にも税金が投入されているし、手厚い支援策が用意されているのが日本式だ。法人税率、増収傾向にある大手企業を中心にということなら、中小法人以…

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西田亮介

東京工業大学准教授

1983年生まれ。博士(政策・メディア)。専門は社会学、公共政策学。著書に『メディアと自民党』(角川新書)、『なぜ政治はわかりにくいのか:社会と民主主義をとらえなおす』(春秋社)、『情報武装する政治』(KADOKAWA)、『ネット選挙 解禁がもたらす日本社会の変容』(東洋経済新報社)など多数。近著に「コロナ危機の社会学 感染したのはウイルスか、不安か」(朝日新聞出版)。ツイッター @Ryosuke_Nishida