「22世紀」への手紙

「分からない」では済まされない ルール不在の生殖補助医療

横田愛・医療福祉部記者
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顕微授精をする機器=松山市のつばきウイメンズクリニックで、三角真理撮影
顕微授精をする機器=松山市のつばきウイメンズクリニックで、三角真理撮影

 70年にわたり、匿名の第三者の精子を使った不妊治療(AID)を行ってきた慶応大病院が、新規の患者受け入れ停止に追い込まれた。全国で年3000件以上実施されているAIDの約半数を同病院が担ってきた。無精子症などで子どもを持てない夫婦にとっては活路を閉ざされかねない事態だ。

 背景にあるのは、生まれた子どもが「遺伝上の親」を知る権利(出自を知る権利)をどう扱うかという問題だ。

 同病院はこれまで精子提供者は匿名としてきたが、世界的には出自を知る権利が認められつつあり、こうした…

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横田愛

医療福祉部記者

1980年、宮城県出身。2003年入社。北海道報道部を経て09年から政治部。自民党から民主党への政権交代、その後の再交代の時期に、首相官邸、与野党、外務省、財務省などを担当。18年4月から現職。