韓国軍はどこを向く 敵対的な朝鮮半島の出現か

尾上定正・元空将
佐世保港に寄港した韓国海軍の艦艇=長崎県佐世保市で2018年11月5日、綿貫洋撮影
佐世保港に寄港した韓国海軍の艦艇=長崎県佐世保市で2018年11月5日、綿貫洋撮影

 日韓関係は「国と国との関係が成り立たない」と安倍晋三首相が批判するほど厳しい状況にある。

 最終的かつ不可逆的な解決として日韓両国が合意した「和解・癒やし財団」の解散を韓国政府が一方的に発表したことを受けた見解であり、日本国民の大半が同じ気持ちであろう。

 「2018大韓民国海軍国際観艦式」(10月10~14日)で自衛艦旗(旭日旗)掲揚を自粛するよう要請を受けた海上自衛隊が艦艇派遣を取りやめたことや、韓国大法院(最高裁)が10月30日、韓国人の元「徴用工」4人に対する新日鉄住金側の損害賠償を認める判決を下したことなどを含め、一連の一方的かつ理不尽な韓国側の行為が現状を招いたのであり、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の責任は極めて重い。

 だが、その陰ではさらに由々しい事態が韓国軍で進行しており、日本国内の反韓感情の高まりと今後の日本政府の対応次第では、一気に敵対的な朝鮮半島が出現する恐れがある。

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元空将

1959年生まれ、82年防衛大学卒(26期)。第2航空団司令兼千歳基地司令、北部航空方面隊司令官などを歴任し、航空自衛隊補給本部長を最後に2017年に退官。19年7月からハーバード大学アジアセンターのフェローに就任。