消費増税 大衆からではなく大企業から税金を取れ

亀井静香・元建設相
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亀井静香氏=宮本明登撮影
亀井静香氏=宮本明登撮影

 消費増税なんて、こんなバカなことはない。こんな時に増税すべきではない。

増税延期の可能性も

 食料品などで軽減税率をすると言っているが、くだらない話だ。物品税(ぜいたく品や高額商品に個別に課税する消費税導入前の税)を復活させればいいだけだ。

 安倍晋三首相は2019年10月に予定通り消費税率を引き上げると述べ、各省庁も準備を始めている。しかし、消費税率を上げれば消費が落ち込むことははっきりしている。

 経済がこんな状況ならば、また税率引き上げを延期する可能性もあると思う。たしかに直前での見送りは容易ではないが、国民が喜ぶことだ。なんとでもなる。

企業の内部留保に課税を

 日本の基本的な財政力は強いのだから、国債を発行してまかなえばいい。

 国家は続くものだ。国債を日銀に引き受けさせれば、右のポケットから左のポケットに移るだけのことだ。今、事実上そうしていてインフレになるわけでもなく、デフレ傾向だ。国債は消化されている。それを続けて何が問題なのか。

 もう一つ大事なことがある。消費税は大衆課税だ。増税までして大衆からお金を取る必要はない。

 財務省の法人企業統計によれば17年度の企業の内部留保は446兆円だ。6年連続で過去最高を更新している。余っている大企業の内部留保に課税すればいい。

 税金はカネのあるところから取るべきものだ。そしてカネのない人に配り、全体のために使う。これが税の基本だ。

 金持ちだろうが、貧乏だろうが、同じように税金を取るのは邪道だ。それは金持ちに都合のいい話ではないか。社会保障費の増加で財政が厳しいと言うが、富裕層への社会保障を思い切って削減すればいい。金持ちに手厚い社会保障は不要だろう。

 日本人は日本人らしい魂を失って欲ばかりになっている。まあまあの暮らしをしていければよくて、その代わりに助け合って極端な困窮に陥る人がいないようにする。日本は本来はそういう社会だ。

 みんなで幸せになっていくのが良いことだ、という「大和心」が失われてきているのが残念だ。

亀井静香

元建設相

1936年生まれ。62年警察庁入庁。79年衆院初当選。13期。運輸相、建設相、自民党政調会長、金融担当相などを務めた。2017年衆院選に出馬せず引退した。