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誤射事故から見る防衛費膨張、憲法改正…

滝野隆浩・社会部専門編集委員
陸上自衛隊の饗庭野演習場=滋賀県高島市で、成松秋穂撮影
陸上自衛隊の饗庭野演習場=滋賀県高島市で、成松秋穂撮影

 平成期の最後となる2018年の年末は、自衛隊に関するニュースが相次いだ。陸上自衛隊饗庭野(あいばの)演習場(滋賀県高島市)における迫撃砲誤射事案で陸自が12月18日、調査結果を公表した。このニュースを伝える翌19日の新聞各紙の朝刊1面は、各社とも、新しい防衛計画の大綱(防衛大綱)と中期防衛力整備計画(中期防)の閣議決定について詳報していた。そして忘れてはならないのは、10日、安倍晋三首相が憲法改正について改めて、20年に新憲法を施行したい旨の発言をしたことだ。

 一見、関係のないニュースに思えるが、私には通底するものを感じる。それは、自衛隊の存在をめぐる議論と、現場の空気とのズレという問題である。隊員たちの考えや思いとはまったく別次元で、防衛力の方向性とか、国のあるべき姿とかが決まっていると感じる。それで本当にいいのか。

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社会部専門編集委員

1983年入社。甲府支局、社会部、サンデー毎日編集部、夕刊編集部副部長、前橋支局長などを経て、社会部専門編集委員。現在、コラム「掃苔記」を連載中。人生最終盤の緩和医療・ケア、ホスピスから死後の葬儀、墓問題までを「死周期」として取材している。さらに家族問題のほか、防衛大学校卒の記者として自衛隊をテーマにした著書も多数。著書に「宮崎勤精神鑑定書」「自衛隊指揮官」「沈黙の自衛隊」「自衛隊のリアル」「これからの葬儀の話をしよう」などがある。