日本を立て直す!-イシバの底力-

外交を質す責任が国会にはある

石破茂・元地方創生担当相
  • 文字
  • 印刷
石破茂氏=藤井達也撮影
石破茂氏=藤井達也撮影

 不安定な国際情勢を考えるとき、日露、日中、日韓、日朝、日米のすべてが連動しているということを強く感じます。一つ一つのパーツをどうするかということではなく、鳥瞰(ちょうかん)図的に全体を見ながら外交を進めていかねばなりません。冷戦時代とは全く違う光景が展開されていることを政府のみならず、我々議会の側もよほど努力して把握していかないと、全体の整合がとれないことになりかねないというのが私の今の思いです。

 日露の北方領土交渉については、毎日新聞に掲載されていた北海道大名誉教授、木村汎(ひろし)さんのご所論が正鵠を射ていると思います。日ソ共同宣言(1956年)に立ち返ると単純に言ってしまうと、その後の東京宣言(93年)やイルクーツク宣言(2001年)という日本外交の営々たる努力は一体何だったのかということになりかねません。政府・与党内で十全の議論があったとは言い難い状況です。

 北方領土問題は終戦時の旧ソ連による日ソ中立条約の破棄から始まり、日本政府はこれまで「不法占拠」だと言ってきました。突然、「2島+α(プラスアルファ)」という話になっていますが、日ソ共同宣言から東京宣言、イルクーツク宣言を経た論理的帰結であるのかどうか、そこに至る経緯を検証する作業は必要不可欠です。「1ミリも動かないよりいいじゃないか」というだけでは検証したことにはならないのです。

この記事は有料記事です。

残り2468文字(全文3050文字)

石破茂

元地方創生担当相

1957年生まれ。三井銀行入行。86年衆院初当選。防衛相、農相、自民党政調会長、幹事長などを歴任。衆院鳥取1区、当選11回。2015年に「水月会」(石破派)を結成した。ポスト安倍の有力候補が日本を語る。